2003年 アメリカ
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ロベルト・ベニーニ、 ケイト・ブランシェット
コーヒーと煙草を前にしてのひとときを集めた短編集。 ★★★
あのジム・ジャームッシュが10年以上かけてとり続けた短編11作を集めたもの。
すべてモノクロで撮られている。
各作品は10分足らずで、劇的なドラマがあるわけでもなく、ただただぬるい雰囲気。
コーヒー(一つだけ紅茶が出てくる作品がある)と煙草を前にした光景が切り取られている。
たとえば、他人の代わりに歯医者を受診することになる男とか・・・、
蓮っ葉な従妹と会う女優とか(ケイト・ブランシェットが二役を演じていて楽しめる)・・・、
余り売れていなさそうな役者同士のちぐはぐな会話とか・・・、
とにかく一つ一つのシチュエーションはどうでもいいようで、それでいて少し変な雰囲気を持っている。
煙草の煙のように何気なく物語が漂っている感じ。
かしこまって観るとちょっと辛くなってしまう。
こちらも気をだら~んと弛緩させて観るのが正当な鑑賞態度かもしれない。
たとえばショットバーの壁面に備えられた大型ディスプレイでエンドレスに映していると似合っていたりして。
ジャームッシュらしいんだろうな。
なにを撮るのが映画なのだろうと考えながら、観た。
極端な言い方をすれば、これでも映画なのだ。
とにかく印象に残る作品。
好きな人にはたまらない作品でしょうが、駄目な人は最初の一話で席を立つかもしれません。