監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:ジョシュ・ハートネット、 アーロン・エッカート
スカーレット・ヨハンセン、 ヒラリー・スワンク
猟奇殺人事件を追う二人の刑事。 ★★★☆
ジェームズ・エルロイ原作を、ひと癖もふた癖もあるデ・パルマが映画化した1940年代のロス・アンジェルスでの警察もの。
猟奇殺人事件を担当する元ボクサーの刑事二人、ビッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)。リーは辛い過去を持つケイ(スカーレット・ヨハンセン)と同棲していた。
やがて、被害者と瓜二つの財閥令嬢(ヒラリー・スワンク)がビッキーの前にあらわれ、事件は混迷の度を増していく。
とにかく登場する人間関係が複雑で、かなり注意してみていないと混乱してしまう。
しかもそれぞれが重要な意味を持つ人物である。
(DVDには登場人物相関図なるおまけも付いているほど。これは簡単に眺めておく方がよいかもしれない。)
逆に言えば、それだけ物語は重層的で錯綜していて、面白い。
それまで無関係なように並行して起きていた事件がひとつずつ結びついていく。
そして全体像が露わになっていく。
さすがにJ・エルロイ原作だと思ってしまう。
ただ、原作はかなりの長編らしいので、これを時間が限られた映画におさめるには、やはり若干の無理をしなくてはならなかったのだろうと思える部分が、いくつもある。
後半が駆け足気味になっている印象があるのは否めない。
肝心の殺人の動機も、えっ、それだけ?という感じではあった。原作もあのままなんだろうか?
ビッキーが二人の女性の間で揺れ動く心理状態の描写はもう一つか。
ケイがビッキーに惹かれていく過程も説明がなされていない。
しかし、40年代の衣装を着たヨハンセンはとても雰囲気を出していた。
見て損はしない作品。
同じJ.エルロイ原作の「LAコンフィデンシャル」は、超お勧めです。