1983年 日本 111分
監督:根岸吉太郎
出演:薬師丸ひろ子、 松田優作
80年代テイストあふれるアイドル映画。 ★★★
渡米を1週間後に控えた女子大生(薬師丸ひろ子)と、彼女のボディガードとして雇われた私立探偵(松田優作)。
二人は、私立探偵の前妻の愛人の殺人事件に巻き込まれ、やくざに追われながら犯人捜しをはじめてしまう。
赤川次郎が薬師丸ひろ子のために書き下ろしたストーリーとのこと。
公開当時のキャッチ・コピーは「どじな探偵さんね」だった。
どことなく日本全体にまだのんびりしているところがあったころで、殺人事件を題材にしているのにたわいのないコミカルなところが程よく混じる。
いかにもあの時代の角川映画という雰囲気が良いなあ。
サスペンス映画としては、殺人事件の犯人があの人で、そのトリックがあれで、その証拠があれでは、いくらなんでも浅すぎる。
テレビ・ドラマのレベルに留まっている(苦笑)。
しかし、この映画では事件の解決などはどうでもよくて、主役二人のほわーんとしたやりとりを楽しむのが目的なのだろう。
薬師丸ひろ子は本当にあか抜けていなくて、世間知らずのうぶなお金持ちのお嬢さんという感じが微笑ましいくらい。
映画を引き締めているのは、野暮ったい役柄を演じている松田優作。
はじめにホテルに乗り込んでくる場面からして、とても良い。
あんなぶっきらぼうなやり方が似合う人はこの人ぐらいだろう。
ラスト近くに薬師丸ひろ子が歌う主題歌が流れはじめる。
大瀧詠一のこの曲もいい曲だった。