2003年 アメリカ 116分
監督:ドナルド・ベトリ
出演:マシュー・マコノヒー、 ケイト・ハドソン
NYを舞台にした典型的ラブ・コメディ。 ★★☆
どんなことをすれば男にフラれるのかという雑誌記事を書くために、ヒロインがわざと男に嫌がられることをする、という設定が秀逸。
恋した女性がついしてしまいがちな行動を、これでもかというほどにオーバーに戯画化してくれる。
たとえば、仕事中にしょうもない電話をかけるわ、彼のアパートにぬいぐるみを持ち込むわ、ペアルックを強要するわ、友達の前でこれみよがしにべたべたするわ、と、男にしてみたら一発で嫌気がさしてくることばかり。
ただ、この映画が女性に受けたというのは、これほどひどくはなくても、軽い程度のことには思い当たることがある、といった面があったのではないだろうか。
彼の「息子」にヒロインが愛称を付けるところには呆気にとられる。こんなことって、普通するか?
さらにこの映画の秀逸なところは、彼のほうも10日間で彼女をつくれるかという賭をしていたということろ。どんなに彼女を嫌に思っても10日間はフルことができない、という設定である。
彼女のわがままに何度もキレそうになるところを、必死に我慢するところが笑える。
そんな騙しあいの恋の途中で、彼女が彼の実家を訪れる場面がある。
この実家の人たちが飾り気のない人たちで、観ているこちらも癒されるぐらい。二人も自然な雰囲気となって、ヒロインの策略的な恋が本物に変わっていくのがよくわかる。
最後は、お互いがお互いを利用していた、騙していたことがバレてののしりあいになるのだが、という展開は、この手の作品の王道。安心して観ていられる。
マシュー・マコノヒーはこの役柄には少し堅すぎた。潜水艦艦長なんていう、もっと硬派のイメージが強かったものだから。
ケイト・ハドソンは愛嬌のある可愛いさでコミカルな演技をしている。屈託のなさが魅力的なのだが、それもそのはず、あのゴールディ・ホーン(「永遠に美しく」は傑作だった)の娘なのだそうだ。どうりで。
邦題は「上手に男をフル方法」ではなくて、「上手に男にフラれる方法」だと思うのだが、語呂が悪かったのか。
退屈することなく観ることができて、期待通りにほのぼのとした満足感が得られます。