1991年 アメリカ
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツネガー、 リンダ・ハミルトン
シリーズ最強のターミネーター。 ★★★☆
この映画を今ごろ観ようとする人は「ニューフェイト」の予習だろうから、 物語の骨格は了解済みだろう。
サラ・コナーと未来からやってきたカイルの間に生まれたジョン。
彼が未来の対機械戦争で人類を勝利に導くリーダーになる。
だから機械軍は過去にさかのぼってそのジョンを殺してしまおうとターミネーターを送ってくる。
一方の人間側もそうはさせじとジョンを守るロボットを送ってくる。
今作の目玉は2つ。
前作ではサラ・コナーを殺そうとしたターミネーター役だったシュワルツネッガーがジョンを守る側に回ったこと。
そして敵の新型ターミネーターT1000がとてつもなく強いこと。
今作の魅力の大部分は、そのT1000の底知れない強さにあると言っても過言ではない。
とにかく強い、とにかく不死身。
撃たれようが、殴られようが、液体の記憶形状合金とでもいうべき能力で復活する。
公開当時にこの液体ターミネーターの映像を観た時は驚いたものだった。何という映像なんだっ!
こいつを倒すことなんかできそうにないぞ。
そして今回はジョンを守る使命でやってきたT800。
そのジョンは、一人だけ未来を知っているがために狂人扱いをされてしまっている母親のサラとも離れて育ってすっかりグレたタ少年。
しかしT800の無償の献身的な行動に(そういう風にプログラミングされていただけなのだが)、次第にジョンは父親像を重ねていく。
ここで秀逸だったのは、単にプログラミングされただけだったT800も、ジョンとの交流で人間の心を理解するようになっていくところ。
自分は泣くことはできないが、人間が泣く気持ちは理解できる。
このT800の台詞はよかった。
そして今作を印象づけたのは、ラストの展開。
シュワルツネッガー扮するT800が、この時代に自分は居てはいけないマシーンだということで自ら破滅していく。
これは(実際には泣きはしなかったが)涙を誘う結末だった。
さあ、「ニューフェイト」はこの傑作だった「2」の正統的な続編だという。
リンダ・ハミルトンもシュワルツネッガーも復活しているとのこと。
どんな作品になっているのだろうか?