あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「愛さえあれば」 (2012年)

f:id:akirin2274:20200428211722j:plain

2012年 デンマーク 116分
監督:スザンネ・ビア
出演:ピアース・ブロスナン、 トリーネ・ディアホルム

大人のための恋愛ドラマ。 ★★★

 

南イタリアを舞台に、夫に裏切られた女性と、妻と死別した男性がもどかしい愛を育てていく物語。
なんて書くと、典型的なメロドラマかと思ってしまう。
しかし、見方によっては、この映画はブラック・コメディである。訳ありの人物ばかりが登場してくる。

 

乳癌の治療を終えたイーダ(トリーネ・ディアホルム)は、夫の浮気現場に遭遇してしまう。
来週には娘の結婚式でイタリアへ行かなくてはならないというのに・・・。
一人で旅立ったイーダは、娘の婚約者パトリオットの父フィリップ(ピアース・ブロスナン)と出会う。
始めはお互いに、感じ悪!と思っていたのだが・・・。

 

悲しみが乾くまで」が好くて贔屓になったスザンネ・ビア監督だったが、こんな設定の映画も撮るんだ。
しかし、「セリーナ 炎の女」にしても「ある愛の風景」にしても、さまざまな状況下での男女間の愛な形を描いていたし、これが彼女の持ち味なのだろう。

 

結婚式がおこなわれるフィリップの別荘には次々に出席者が到着する。
なんとイーダの夫ライフは浮気相手も連れてきてしまう。
その若い浮気相手は、皆にライフの婚約者よと自己紹介をして回っている。おいおい、なんて無神経な奴なんだ。

 

フィリップの亡くなった妻の(図々しい)姉は、実はフィリップに片思いしている。
勝手な勘違いをして強引にフィリップに迫ってくる。おいおい、あんた、本当は嫌われているんだよ。
おまけにその娘はジコチュウで、ちょっとイッテしまっている。
罵りあいの母娘喧嘩まで始めてしまう。おいおい、結婚式前夜なんだぜ。

 

さらに、新郎のパトリオットは、どうもゲイらしい雰囲気をかもし出している。
彼ったらちっとも抱いてくれないの・・・。
明日結婚するというのに、どうするんだ?
そんなてんやわんやがくり広げられているうちに、イーダとフィリップは互いに惹かれ始める。

 

ヒロイン役のトリーネ・ディアホルムは初めて観る人。
個人的にはそれほど魅力的とは思えなかったのだが(汗)、格好いい中年オヤジのフィリップが惹かれてしまったのは何故?
そのあたりはちょっと唐突感があった。

 

原題がどうなのかは知らないのだが、邦題は内容とはずれている。
想像されるような純愛、しっとり、といったものではなく、毒気があるラブ・ロマンスものだった。
でも最終的にはハッピーエンドとなっていく。ま、そこは気持ちよく見終わることができた。

どちらかといえば女性向けの映画かな。