2018年 韓国 136分
監督:キム・グァンシク
出演:チョ・インソン、 ナム・ジュヒョク
歴史ものアクション。 ★★★
600年代、唐は20万人の大軍勢で高句麗に攻め入ってくる。
この映画は、高句麗の小さな出城である安市城を5000人で守り抜いたという話。
まるで韓国版「のぼうの城」だが、映画の雰囲気は大違いで、全編これ悲壮感にあふれている。
城主のヤン・マンチュン(チョ・インソン)は実在の人物とのこと。
高句麗の内紛のようなものもある。
民を思って負け戦には出兵しなかったマンチュンは、国主からは裏切り者と思われ、彼の安市城には援軍は来ず見捨てられる。
そればかりか、マンチュン刺殺の命を受けた若者サムルまで派遣される。
孤立無援、おまけに暗殺者まで紛れ込んでいる状況で、マンチュンはどう闘う?
暗殺の命を受けて安市城にやって来たサムルの視点でマンチュンが描かれるところが上手い演出だった。
偉ぶることなく、民に慕われ、そのうえ知略に富んでいる。
あんた、神様かよ、と言いたくなるぐらいに欠点のない英雄像(苦笑)。
ま、格好いいから許してしまおう。
そのマンチュン役のチョ・インソクが誰かに似ているなあと思いながら観ていたのだが、ああ、そうだ、ケイン・コスギだ。
かってはTV番組「筋肉番付」で活躍し、リポビタンのCMでお馴染みだったが、今はどうしているのだろう?
城攻めでは投石機が活躍する。効果がありそう。
しかし、実際にあんな大きな重い石を勢いよく飛ばせたのだろうか。
長い梯子をかけて城壁を上っていくというのも定石。
しかし、あの先頭に上っていく人は怖いだろうね。たいていやられちゃうものね。
攻城台という高い櫓のようなものもすごい代物。なるほど、これなら高い城壁を攻め落とせそうだ。
さあ、どうする? と思っていたら・・・。
まさか空中高く放り投げた油壺を矢で射抜いて、炎を降らせるとは。
やるなあ、マンチュン。
ということで、戦闘場面は迫力あるものだった。
さらにマンチュンを支える部下もよく描かれていた。
表面上は仲が悪いけれども実は気心が通じている剣と斧の使い手、とか。
ツッコミどころはいくつもあるのだが、まあ、映画だからね。
しかし、敵が築いた山に穴を掘って崩してしまおうという作戦だけは、いくらなんでもあんなに早くは掘れないでしょ、と言いたかった。
それに見事に敵の施設が壊れた後の山は、きれいな形のままだったなあ(苦笑)。
戦争ごっこが好きな男子向けの映画でした。
暇な休日にでも、余分なことを考えずに楽しむ映画です。