2007年 アメリカ 120分
監督:トニー・ギルロイ
出演:ジョージ・クルーニー、 トム・ウィルキンソン、 ティルダ・スウィントン
企業弁護士もの。 ★★☆
フィクサーというと、日本では政界の裏で暗躍する腹黒い奴、というイメージが強い。
ところがアメリカでは、公にはできない案件をもみ消す弁護士のことを指すようだ。
だいぶイメージが違うなあ。
監督・脚本はトニー・ギルロイ。
最初のボーン・シリーズ3作の脚本を書き、「ボーン・レガシー」では監督もしていた。
物語を作るのは得意なわけで、本作も最後までよく練られた脚本だった。
(しかし、練られすぎてちょっともたついたり、意味不明なところも・・・汗)
マイケルは大手法律事務所に所属する遣り手弁護士。
その役割はあまり公には出来ない案件を秘密裏に処理するもみ消し屋(フィクサー)だった。
そんな彼は、私生活では従兄弟の多額の借金を肩代わりする羽目に陥っていた。
仕事も、自分の生活も大変だなあ。なんとかしたいなあ。
マイケルの所属する事務所は、3000億円の集団訴訟を起こされた大企業の弁護を引き受けている。
しかし、案件を担当していた同僚弁護士が突如奇行に走り、その対応にマイケルも巻き込まれていく。
大企業側は裁判に負けないために、本部長のカレン(ティルダ・スウィントン)がありとあらゆる手を打ってくる。
この映画、後半になると面白くなるのだが、正直なところ、前半はやや冗長だった。
意味不明だったところもあった。
マイケルの息子が「王国と征服」というファンタジーを大切に読んでおり、死んでいく同僚の部屋にもその本が残されていたのだが、この意味は判らなかった。
それに、マイケルが車に仕掛けられた爆薬から逃れられたのは、偶然に見かけた三匹の馬のおかげなのだが、これは何かを暗示していたのだろうか?
同僚弁護士はなぜ奇行に走ったのか。
裁かれる案件の真実はどうだったのか。
身の危険に晒されながら、マイケルは裁判の重要証拠を掴もうとする。
しかし、大企業側も暗躍する。
そして、クライマックスではマイケルとカレンが対決する。
この対決場面が最大の見せ場だった。
ギルロイ監督はここを見せたくて脚本を書いたのではないかと思えるほど。
ティルダ・スウィントンは本作でアカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
プレゼンの前に必死に一人で練習をするカレンの姿など、納得の存在感でした。