2019年 アメリカ 92分
監督:ケン・サンゼル
出演:ニコラス・ケイジ、 アナベル・アコスタ
殺人連鎖。 ★★★
ニコラス・ケイジ主演ということだし、この10人の中の8人が死にますという惹き文句で観賞。
結論として、大傑作というほどではないが、予想以上の出来にはなっていた。
脚本もかなり凝っていて、そうもってくるのか、という感じだった。
冒頭、ニコラス・ケイジがフロントにいる場末の「フランコのホテル」に曰くありげな男2人がやって来る。
2階の物陰から様子をうかがう返り血を浴びた美女。
さあ、これはどういう状況なんだ?
時間がさかのぼる。
そのホテルの一室からターゲットを狙っていた初老の殺し屋マーカス。
ところが、向かいのビルの屋上にも殺し屋サンチェスがいた。
このあたり、すっかりマーカスが主役のような描かれ方で、ニコケイはどうなったんだ?と思うほど。
しかし、消音した狙撃銃の撃ち合いでマーカスは殺されてしまう。
ありゃ、マーカスが死んじゃったよと思っていたら・・・。
報酬のダイヤを手にしたサンチェスも、今度は2人組の汚職警官に襲われて殺されてしまう。
そこにいたるサンチェスと汚職警官たちの駆け引きもなかなかに見せてくれた。
仲間割れして生き残った警官の1人は、隠れ家で待っていた女レナータにダイヤを渡す。
今度はそこに2人の殺し屋が襲来して来る。
1人脱出したレナータは、最初にマーカスが殺された「フランコのホテル」にやってくる。
そして曰くありげなニコケイと腹の探り合いをしたり、ハニー・トラップを仕掛けたり仕掛けられたり。
レナータを追ってきた2人組を、彼女とニコケイがそれぞれ殺してしまったり。
そこに新たな2人がやってきて、冒頭の場面につながるわけだ。
次から次へと物語が進み、高価なダイヤが転々と持ち主を変える。
このダイヤはいったい誰が持っていたものなのだ?
何のためにこんな殺人連鎖が起こっているんだ?
確かに連鎖的にどんどんと人が死んでいく。え~と、これで何人目が死んだんだっけ?
映画の終盤で、2人組に殺されそうになっているニコケイが、最後の俺の話を聞かないか、と思い出話を始める。
実はそれこそがこの殺人連鎖の内幕だったのだ。そうか、そういう訳があったのか。
最初に殺されたマーカスも、次に死んだサンチェスも、そういう裏があったのか。
いささか後出しじゃんけん的な無理なこじつけ感があることは否めない。
しかし、あれよあれよと観てきた殺人連鎖にもちゃんとそれなりの意味があったわけだ。なるほど。
B級感満載の映画ですが、退屈するようなものではありません。
気楽に愉しみましょう。
しかし、最後のニコケイのお話はよく聞いていないと理解できない部分がありますよ。
いや、よく聞いていてもつじつまの合わないところが・・・(苦笑)。