あきりんの映画生活

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「サイレント・トーキョー」 (2020年)

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2020年 日本 99分
監督:波多野貴文
出演:佐藤浩市、 西島秀俊、 石田ゆり子

平和な日本での爆発テロ。 ★★

 

渋谷のスクランブル交差点の爆破映像がすごいという世評に惹かれて鑑賞。
確かに巨大セットで再現したという渋谷の映像はすごかったのだが、しかし、肝心の物語は、あれ? というものだった。

 

クリスマス・イブの東京。
TV局に爆弾テロを予告した犯人は、恵比寿の商業施設広場で小規模の爆発をさせてみせる。
そして次は渋谷のハチ公前広場で大規模な爆発をさせると予告する。
次は本物だ、これは戦争だ、とのメッセージを送ってくる。

 

事件に巻き込まれた主婦のアイ子(石田ゆり子)、実行犯に仕立てられた若いテレビ局員。
そして怪しげな行動をとる若者IT企業家(中村倫也)や謎の男・朝比奈(佐藤浩市)。
そして犯人を追う刑事(西島秀俊)たち。

 

爆破予告がされている渋谷スクランブルにわざわざ押し寄せる若者たち。
危険なんて自分とは無関係なところにある、こんなにいっぱい人がいるのだから危険なんて起きるはずがない・・・。
自分勝手な思い込み行動で右往左往する群集心理の雰囲気は好く出ていた。
そこで起きる大爆発映像も好くできていた。

 

しかし、それだけだったなあ。
どうもリアリティに欠ける不自然な人物造形ばかりがめだった。
あんな根暗で企業家が成功するか? 
犯行現場近くの防犯カメラ映像をチェックしない刑事がいるか?

 

それに物語の展開も説明がつかないようなご都合主義的なところがめだった。
彼はどうしてあの場所に現れることができたのだ? どうして彼女がその時間にそこにいると判った?
犯人の動機が説明される過去の話も、どうも取って付けたようだった。

 

(以下ネタバレ)

 

石田ゆり子が事件への巻き込まれ主婦として登場してきたときは、あれ?と思った。
彼女を起用しておいてそんな役柄で終わるわけはないだろう・・・。
やはり、そうだった(苦笑)。

 

決定的に判らなかったのは、朝比奈とアイ子の企みの交差のこと。
東京タワーの爆発物を仕掛けたのは朝比奈だよねえ。解除コードを知っていたのだから。
最初の恵比寿での爆薬も朝比奈?


そもそも朝比奈とアイ子の関係がよく判らなかった。
朝比奈はアイ子の夫の部下だったのだろうか? それでアイ子の意志に共感して共に企んだ?

それにしては二人の会話が不自然だった気がするのだが・・・。

 

あまりに判らなかったので、映画の帰りに秦建日子の原作本を買ってしまったぞ。
こんな事をさせるなよな。
映画だけでちゃんと満足させてくれよな(怒)。