2019年 イギリス 100分
監督:トム・パットン
オカルト風味のタイムループもの。 ★★★
何かの呪いをかけられたような戦士たちが、いつまでも抜け出せない階段に閉じこめられるという、不条理映画。
世評は酷評ばかり。金返せコールばかり。
しかし、意外と面白いじゃないか、これ。私は好みだよ(苦笑)。
東ヨーロッパの荒れ野の戦地でミッションを遂行する小隊が主人公たち。
敵を殲滅して資料を回収するのが使命。そのために捕虜になっていた一人の女性まで殺してしまう。
これが悪夢の始まり。
どうやらその女性は巫女か何かで、小隊に呪いをかけたようなのだ。
ミッションを終えて兵士たちが基地に戻るとエレベーターが故障している。
ありゃ、疲れているのになあ。仕方ない、階段で最上階まで行こうぜ。
ところが、階段を上っても上っても何故か最上階に着かない。
いつまでも階段が続いている。この階段はおかしいぜ、戻ってみようか。
しかし、階段を降りようとすると、なんと、殺したはずの捕虜の女性が幽鬼のように待っていた。
うわぁ、下には行けないぞ。上に逃げろっ!
幽鬼の女性は、まるで、あの貞子である。
髪を乱した女がゆっくりと階段を上がって近づいてくるのである。
追いつかれると殺されてしまうのである。
おい、どうするんだ、いつまで階段を上がればいいんだ?
うんざりして気持ちが滅入ってくるような暗く殺風景な階段の場面が続く。
(低予算映画だなあ 汗)
すると、階段の踊り場にドアがあるではないか。おお、ここから出られるぞ。
しかし、ドアの外には彼らが任務を遂行しようとしていた戦場が拡がっていた。
えっ? これは捕虜の女性を殺す前に戻っているではないか・・・。
しかも、元の戦場には、捕虜の女性を殺そうとしている彼ら自身がいるのである。
あの捕虜の女性を殺してしまったのがいけなかったのじゃないかい?
なんとかしてあれを阻止しようぜ。
でも、過去の俺たちを殺しでもしたら、今の自分も存在しなくなってしまうぞ。
自分自身らを殺さずに過去の行いを阻止できるのか?
どうすればいいんだ?
結局、彼らは貞子に追われ続ける階段と戦場を、ドア1枚で行ったり戻ったりする。
面白いのは、冒頭の戦闘場面で物陰から襲ってきた何者かは、実は未来から戻ってきた自分たちだったということ。
う~ん、なんだかパラドックスのような気もするが、面白いんじゃないかい。
応戦で傷ついた彼らは過去の修正が上手くいかずに、また階段に逃げ帰る。
そして貞子に追われる・・・。
戦場でのタイムループものといえば、トム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」があった。
両者の大きな違いは、ループしてふたたび戻ってきたときの状態についての法則。
「オール・ユー・~」がまったくのリセット状態で元の世界に戻ってくるのに比して、今作では過去の状態の変化を抱えて元の世界に戻ってくる。
つまり戦場で傷つけば、その傷をかかえて無限階段に戻ってくるのだ。
さあ、どうすれば過去を変えられる?
どうすればこの無限地獄を終わらせることができる?
過去の自分たちに撃たれたり、貞子に襲われたりで、彼らは一人減り、二人減り・・・。
ついに究極の選択をするのだが・・・。
いやあ、なかなかに面白かったよ。
エンディングが、また皮肉が効いているというか、うんざり感のだめ押しというか、個人的には好みだったなあ。