2021年 日本 131分
監督:江口カン
出演:岡田准一、 堤真一、 木村文乃、 平手友梨奈
痛快アクションものの続編。 ★★★☆
前作はあまりに面白かったので原作コミックも読んでしまった。
岡田准一のアクションと、それとはゆるくミスマッチな呆けぐあいがとても好かった。
ということで、期待して続編鑑賞。
6秒でどんな相手でも倒してしまう伝説の殺し屋ファブル(岡田准一)。
ボスの命令で、殺しを禁じられた彼が佐藤アキラという一般人のふりをして”フツーの生活”をおくっているというのが設定。
相棒として妹役のヨウコ(木村文乃)が一緒に暮らしている。
このあたりは前作で説明されていたので、今回は冒頭からアクション全開。
いきなりのファブルの鮮やかな殺し。そして屋上駐車場でのすさまじい暴走車とのアクション。
どこまでCGを使っているのか判らないが、トム・クルーズも真っ青の岡田准一の体を張った演技がすごい。
今の邦画アクションでは、現代劇なら岡田准一、時代劇なら佐藤健、だな。
さて、今回の敵は、かつてファブルに弟を殺された宇津帆(堤真一)。
慈善団体の代表の仮面の裏で、残酷な殺しも辞さない悪事をしているというサイコパスのような奴。
計算高い冷静さを持ちながらも、どこかキレている精神状態の気持ち悪さを、堤真一が好演。
ファブルへの執拗な復讐打倒に燃えている。
やはり悪役はこうでなくてはね。
このシリーズの面白さは、殺人マシーンであるファブルが”フツーの生活”をしようとして真面目な顔をしてかます呆けにもある。
バイトの時給を上げてもらって無邪気に喜んだり、徹夜をしてサンタクロースのほのぼのイラストを描いたり。
超猫舌であるところも好い味を出している。
宇津保の悪強そうな手下が、ファブルの妹を捕らえようとして銃を手にしてヨウコのアパートにやって来る。
しかし、このヨウコも実は凄腕だったのだということは前作で明かされていた。
で今回もその凄腕ぶりをまざまざと見せつけてくれる。
敵の銃を奪ってフルぼっこにしてしまうまでにたったの9秒である。
命のやり取りをしたあとで、おかげで作りかけだった麻婆豆腐が煮詰まってしまった、とぼやくヨウコ。
この落差が何とも痛快。
ファブルが今作で救おうとする足の不自由な少女役に平手友梨奈。
彼女は天才少女作家役で初めて知ったのだが、すごい目力の役者だと思っていた。
今作では彼女の扱い方がやや紋切り型だったところが残念だった。
高層に組まれた足場で襲ってくる敵大集団とのファブルの戦い。跳ぶわ、跳ねるわ、殴るわ、蹴るわ。
ファブル、すごい。そして岡田准一すごい。
崩れかかるパイプの足場に片手でぶら下がりながら敵と格闘しているファブル。
双眼鏡でそれを見たヨウコが叫ぶ、お兄ちゃん大丈夫?
ファブルはいつものように冷静な声で答える、 ああ、全く問題ない。
ヨウコが絶叫する、ど~こ~が!?
このあともシリーズ化を期待。
しかしこのあと、どうやって新しい面白さを付け加えていけるか、だな。