あきりんの映画生活

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「マッスル 踊る稲妻」 (2015年)

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2015年 インド 188分
監督:シャンカール
出演:ビクルム、 エイミー・ジャクソン

インド版美女と野獣・復讐編。 ★★☆

 

冒頭で結婚式当日の美しい花嫁が控え室から誘拐されてしまう。
連れ去ったのは醜いせむし男。
美女と野獣か、はたまたノートルダムのせみし男か。美女はどうなる?

 

物語は時間軸が入り混じって展開される。
言ってみればせむし男が出てくるのが現在。そしてせむし男が誕生するまでの美男美女の物語が過去。
美男はボディビルダーのリンゲーサン(ヴィクラム)、そして彼があこがれていた女優のディヤー(エイミー・ジャクソン)が掛け値なしの美女。
美男美女の物語は華やかな、エンタメ系インド映画らしい展開ですすむ。

 

ひょんなことからディヤーのCM撮影の相手となったリンゲーサン。
ロケ地は美しく広大な中国の高原。
美しい風景に美男美女。CM撮影という設定だから、次から次へと夢のような場面があらわれる。
歌と踊りだって、CM撮影なのだからやりたい放題でおかしくはないぞ。

 

髭を剃って髪を短くしたリンゲーサン役のヴィクラムは、あれ、元・野球選手の新庄剛志にそっくりだなあ(笑)。
ヒロインのエイミー・ジャクソンはイギリス人だが、ちいさい頃からインド映画で活躍している。
つい先日は、”スーパー・スター”ラジニ・カーントと共演した「ロボット2.0」で観た。
彼女はある年の「「インドで最も好ましい女性」に選ばれたこともあるとのこと。
もう間違いのない美女、という形容詞は彼女のためにある!

 

しかし幸せ絶好調のリンゲーサンに逆恨みをする悪い奴らがいたのだ。
リンゲーサンに人気を奪われてしまったハンサム俳優や、一方的に片思いをしてふられたオカマの美容師。
さらにはリンゲーサンに悪徳製品を見抜かれた社長や、ボディビル大会で彼に負けたボディビルダー
なんとかしてリンゲーサンを不幸にしてやりたいぞ。

 

極めつけは、幼い頃からのディヤーに目をつけていたかかりつけ医。悪徳医師。
なんとかして美しい彼女を自分のものにしたいぞ。
彼らは共謀してリンゲーサンを襲って毒薬を注射したのだ。すると・・・。

 

そうなのだ、あのせむし男は毒薬によって醜く変貌してしまったリンゲーサンだったのだ。
さあ、彼の復讐が始まるぞ。
ここからはちょっとグロイ映像も出てくる。すさまじい復讐なのだよ。目には目を!

 

制作費は膨大なものだったらしいのだが、映画はどちらかといえば大雑把。
シャンカール監督の映画は本作にしても「ロボット」にしても、大味に好きなことをやっているという感じ。
例えれば、インドのポール・バーホーベン監督というところか。

 

めまぐるしく展開するので飽きることはないのだが、3時間越えといささか長い。
もうちょっとしゃきっとはできなかったのだろうか。
内容も、タイトルとかポスター写真で期待Iしていたような、華やかな脳天気なものではなかった。
本当に復讐譚なのだよ。

 

世界でもトップクラスの数が作られるインドのことだから、そりゃ玉石混淆にはなるのだろう。
以前は高評価のものだけが本邦公開になっていたのだろうが、インド映画の人気が上がるにつれて、どうもなあ?というものまで紹介されているような気がする。

 

どうみてもこの映画はタイトルとポスター写真に偽りあり!
こちらもすこしみる目を養わないといけないな。