あきりんの映画生活

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「ソボク」 (2021年)

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2021年 韓国 114分
監督:イ・ヨンジュ
出演:コン・ユ、 パク・ボゴム

不死のクローン人間。 ★★☆

 

主人公は不治の病のために余命わずかなギホン。
元情報局員である彼はソボクという青年の移送護衛を依頼される。
実はこのソボク、クローン人間で不死であった。
ソボクの移送が無事におこなえたら、ギホンよ、お前の命も助けられるようになるかもしれない、しっかりソボクを守ってくれ。

 

この不死の存在のソボクをめぐって、韓国情報員や不死を手に入れたい悪徳大富豪、それにどこかの軍隊までが争奪戦を繰り広げる。
それらの追っ手からギホンとソボクの逃走劇が始まる。

 

ギホンは基本的に組織人間。
命令を受ければ何も考えずにただその命令を実行しようとする。
一方のソボクは、自分がなぜ作られたのだろうと、自分の存在する意味を常に考えている。
人間であるギホンが機械的に行動し、クローンであるソボクの方が哲学的。人間っぽく悩む。
永遠に生きるってどういうことですか?

 

限られた命しかない人間と、永遠の命をもつクローンとの逃走劇。
この二人のバディ・ムービーのようなロード・ムービーでもある。
これまで研究室に閉じこめられていたソボクなので、逃走途中で初めて経験することがらには興味津々。
お気に入りのスニーカーを見つけたり、初めて食べるカップ麺の美味しさに喜んだり。
ギホンを慕い始めたソボクは、ギホンのことを兄さんと呼ぶようにもなっていく。

 

ソボクの身体は寝る必要もない。眠いという感覚が分からない。
そしてギホンが寝ようとするのを見て、眠るのと死ぬのとは何が違うのだ?と尋ねたりもする。
たしかに、夢を見ることを別にすれば、眠っている間は死んでいる状態と変わらない気がするよなあ。

 

3つの敵集団が代わる代わるにギホンとソボクに襲いかかってくる。
しかしソボクは急速な細胞分裂をする肉体からでる力で周囲の磁場(引力?)を操ることができたのだ。
マーベル・コミックも真っ青になるくらいの凄まじい力だよ。
その超能力で起きる事柄の絵柄は、クリストファー・ノーラン監督作を参考にしたぐらいの凄まじい力だよ。

 

やがて大団円となる。
はたして永遠の命には価値があるのか、なぜ人には死があるのか、死が待っている命にはどんな意味があるのか。
そのようなことも考えさせて映画は終わっていく。

 

最後、ソボクの台詞「兄さん、眠くなりました」は印象的だった。