1983年 カナダ 103分
監督:デビッド・クローネンバーグ
出演:クリストファー・ウォーケン、 ブルック・アダムス、 チャーリー・シーン
予知能力を得た男は・・・。 ★★★
原作はスティーブン・キング。
交通事故で5年間の昏睡状態に陥ったジョニー(クリストファ・ウォーケン)。
奇跡的に目覚めたのだが、その間に恋人(ブルック・アダムス)は他の男と結婚してしまっていた。おお、なんということだ・・・。
しかし、彼は手に触れるだけで相手の過去が見え、未来が予知できる能力を得ていた。
そんなことが出来るようになったら、そりゃ驚くよなあ。
ジョニーは看護してくれている看護師の手に触れた瞬間に、彼女の家が燃えており、幼子が泣き叫んでいる光景を見てしまうのだ。
彼の言葉に慌てて家に駆けつける看護師。幼子は助かった。好かった。
当然のことながらこれは一大事として世間の注目を集める。
連続殺人事件の犯人捜しに協力してほしいとの依頼にも応える。
無残に殺された少女の遺体に触れたジョニーは、彼女が最後に会った男の顔を見ることができたのだ。
また、溺れる事故に遭いそうになっていた少年に助言をして悲劇的な未来を回避する。
良いことだらけ? でもそんなことだけではないのである。
避けようがない死ぬ運命にある人のことも判ってしまう。
果ては、人類の未来を左右するようなある人物(チャーリー・シーン)のことを知ってしまったりもするのである。
なんとかして不幸な人類の未来を回避しなくては・・・。そのために自分はどうすればよいのだ?
明日死ぬことが判ってしまったり、そこまで極端でなくても、いつ自分が死ぬのかを知ってしまったりすることは、果たして幸せなことだろうか?
自分の未来を知りたいと思う? 人の未来を知りたいと思う?
未来を知らないからこそ生きていることができる、そんな気もしてくる。
クローネンバーグ監督作だが、ホラー色はまったくない。
一人の人間として最善を尽くそうとするジョニーのドラマを描いている。。
自分が得てしまった能力を活かすために、ジョニーはある決断をする。
(ちょっとツッコミ)
今は人妻となった元カノだが、今でもジョニーのことを愛してくれている。
それは嬉しいことなんだけれど、今の旦那さん、気の毒じゃね?
若い日のクリストファー・ウォーケンが好い雰囲気を出しています。
彼のどこか諦観を漂わせる悲しい笑顔が印象的だった。