あきりんの映画生活

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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」 (2020年)

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2020年 イギリス 164分
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ダニエル・クレイグ、 レア・セドゥ、 ミラ・マレック、 

   ラシャーナ・リンチ、 アナ・デ・アルマス、 レイフ・ファインズ

最後のダニエル・クレイグ・ボンド。 ★★★★

 

前作でもうないのかと思っていたクレイグ・ボンド。作られたのだっ!

第5作目にして最終作。
007シリーズとしては第25作となる。

 

今作は「スペクター」での物語を引き継いではじまる。
MI6を引退したボンドはマドレーヌ(レア・セドゥ)と平穏な日々を過ごしていたのだ。
しかし、スペクターはボンドをほっておいてはくれなかった。

 

容赦なく襲ってくる敵、高い橋の上からのダイブ。
そしてボンドカーに乗ったボンドとマドレーヌに撃ち込まれる銃弾の雨。
防弾仕様になっている窓ガラスに次第にひびが入ってくる。
どうなるかと思ったときに、ヘッドライトに仕込まれた機銃が回転するボンドカーから発射される。すさまじい銃撃。
これまでの007シリーズに引けを取らないアクション場面の連続で魅せてくれる。

 

マドレーヌにも引きずっている過去の秘密があったのだ。
この作品の冒頭には、幼かったマドレーヌを死の淵まで追いやり、そして氷の湖から引き上げた能面の男、サフィン(ミラ・マレック)が登場していた。
そして思いの行き違いから別れてしまうボンドとマドレーヌ。

 

二人の駅での別れの場面は好かった。
まるでラブ・ロマンス映画のよう。
走り出す列車に寂しそうに乗ったマドレーヌは、そっと自分のお腹に触れる。これは・・・。

 

キューバでボンドと共に戦う現地諜報員のパロマ役にアナ・デ・アルマス。
黒のドレス姿でのアクションが美しい。
そういえば彼女は、「ナイブス・アウト」でも私立探偵のダニエル・クレイグと一緒に殺人事件の解明に当たっていた。

 

パロマは3週間しか訓練を受けていないのにその戦闘能力には云う事なし。
おまけにちょっと天然なところもああって、そのアンバランスさがなんとも好い。
魅力たっぷりに活躍してくれていたのに、「私はここまでよ。」
おいおい、退場してしまうのかよ。名残惜しいなあ。

 

別れたマドレーヌと5年後に再会するボンド。
おお、レア・セドゥは復活してくれたんだ。好かった好かった。
そしてマドレーヌには5歳になる娘がいた。青い眼の、この娘は・・・・?
1作ごとに相手をかえるプレイボーイのボンドなんて、もうどこにも居ないぜ。

 

今回の真の悪役サフィンに扮したレミ・マレックは、ちょっと迫力不足だった。
能面を被って登場したり、日本趣味のアジトを作ったりしていたが、何だかなあ、という感じだったのは残念。
(監督が日系人だったからか、ボンドに土下座をさせていたのも違和感ありだった 残念)

 

クライマックスで乗り込んだサフィンのアジトでの銃撃戦。
筒状の天井の通路で、ボンドがこちらを振り返って銃を撃つ。
おお、これは007シリーズのオープニングのお約束映像ではないか!

 

(以下、ネタバレ)

 

まさかクレイグ・ボンドがこのような結末となって終わるとは思っていなかった。
それだけに私の中での余韻はすごかった。
クレイグ・ボンド以前の007がこれほどに一人の女性に愛を捧げたことがあっただろうか。
これまでの007の中でもっとも人間味のある007だったのではないだろうか。
マドレーヌが娘にジェームズ・ボンドという名前を教える最後の場面も好かったなあ。

 

(ちょっとツッコミ)
今回のウイルスは、キューバでは皮膚に感染しただけで人は即死していた。
しかし体内にウイルスが入ったというボンドは静かに死の時を迎えていた。
この差はどこから? 何かわたしが勘違いしている?

 

今回はあの表示はもうないのかと思っていた。
しかし、エンドロールのあとにお約束の表示が出た・・・ジェームズ・ボンドは帰ってくる・・・。
そうか、007は別の人が受け継いでいくのか・・・。
安心したような、ちょっと残念なような・・・。