あきりんの映画生活

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「レミニセンス」 (2021年) 記憶潜入サスペンス

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2021年 アメリカ 116分
監督:リサ・ジョイ
出演:ヒュー・ジャックマン、 レベッッカ・ファーガソン、 タンディ・ニュートン

記憶潜入サスペンス。 ★★★

 

観る前の断片的な情報として得ていたのは、水没した世界、記憶に潜入しての捜査、そしてクリストファー・ノーランの弟夫婦の作品ということ。
とくれば、これはかなり錯綜した物語世界が展開するのか、と思っていた。
違った。あっさりとした筋立てのラブ・ストーリーだった。

 

舞台は海面上昇が進み水に覆われた近未来の都市。
そんな都市で、顧客が望む記憶を呼び起こして追体験させるサービスを生業とするニック(ヒュー・ジャックマン)。
ある日、失くした鍵を見つけたいと現れた謎めいた女性メイ(レベッカ・ファーガソン)にニックは心奪われる。

 

水没しかかっている都市の映像は、人々から未来が失われつつある世界を象徴しているようで、退廃的な美しさをもっていた。
このビジュアルには★を献上。
その都市で人々はただ美しい思い出に浸って生きている。
それは水没していく都市と同じように、未来をあきらめてしまっていることに繋がるのかも知れない。

 

恋人となったニックとメイだったが、メイは突然いなくなってしまう。
やがてギャングの犯罪にメイが関係していることが判ってくる。
ニックは記憶潜入を繰り返して、必死になって彼女の行方を追うのだが…。

 

レベッカ・ファーガソンファム・ファタールの様な存在だった。
彼女は「DUNE 砂の惑星」でも主要人物だったし、個人的にお気に入り女優の一人である。
ニックの助手エミリー役にタンディ・ニュートン
彼女は密かにニックに心を寄せているようなのだが、メイにすっかり心奪われているニックは気づきもしない。
そんなニックの危険を身を挺して助けるエミリー。切ないぞ。

 

記憶の映像化は現実にも研究されているとのこと。
しかし、実際にそんな技術が完成したら、とてつもなく不幸な世界になってしまうような気もするが、さて、どうなんだろ?

 

果たしてメイはどんな秘密を抱えていた?
ニックとメイの恋物語はどうなった?
アクションも交えての展開となっていくのだが、ヒュー・ジャックマンが演じている割にニックがどこか情けない男だった。
お前、覇気が足りないぞ。

 

映画のラスト、ニックは過去に生き、そしてエミリーはニックの助言もあって未来を生きる選択をする。
女はあっさりと過去を棄てて次を目指すが、男はいつまでも過去に引きずられる。
きっと男は純情なのだろう。
過去に引きずられて、それでもニックは幸せだったのだろうか。

 

ノーラン監督の名前で期待をすると裏切られます。
これはSF風味の、純情な男の恋物語です。