2021年 アメリカ 149分
監督:ジョン・ワッツ
出演:トム・ホランド、 ベネディクト・カンバーバッチ、 ゼンデイヤ
マリサ・トメイ、 ウィレム・デフォー
マーベル版第3弾。 ★★★☆
はじめにお断りだが、私はこれまで「スパイダーマン」は実写版、アニメ版のいずれも全く観たことがなかった。
今回が全くの初めてである。
もちろん、蜘蛛に噛まれた高校生ピーターがスパイダーマンとなって云々は知っているし、アベンジャーズに登場したのは観ている。
ま、そういう状態で観た者の感想ということである。
マーベル版なのでいろいろな作品の登場人物の相互乗り入れはお手の物。
今作の肝は、ドクター・ストレンジが開いてしまった多次元世界の扉だった。
スパイダーマンを狙う悪役たちが平行世界から現れてしまう。
サンドマンやエレキマン(ジェイミー・フォックス)、ものすごい鋼鉄の四つ足の怪人、それにウィレム・デフォー扮する狂気じみた博士みたいな奴、など。
みんな、これまでのスパイダーマンに登場したことがあるような雰囲気だった。
ピーターの彼女のMJとか、親友、それにメイおばさんなど、人間関係はすぐにわかった。
ということで、今作を観るのにそれほど困ることはなかった。
しかし、これまでの作品を観ていれば、もっと、もっと楽しめたのではないだろうか。
(後半のネタバレ)
MJたちが、あのマーベル版時空を超える”どこでもドア”でスパイダーマンを呼び戻すと、あれ、あんたは誰だ?
二人も知らない顔のスパイダーマンが現れてしまう。
一人の方はどこかで見た顔だな、ああ、トビー・マクガイヤだ。彼は確かサム・ライミ版のスパイダーマンだったはずだぞ。
すると、もう一人は知らない顔だがアメイジング版のスパイダーマンなのか!
なるほど、これまでのスパイダーマンが平行世界から現れてしまったわけか。
ああ、今作はサム・ライミ3部作、アメイジング版3部作も合わせてのスパイダーマン総集編だったわけか。
あの現れた悪役たちもきっとこれまでのスパイダーマンが戦ってきたキャラクターだっただろうな。
なるほど、ドクター・ストレンジを使って上手い設定にしたものだ。感心。
スパイダーマンか、と軽い時間つぶしのつもりで観たのだが、なんや、感動巨編ではないか。
マーベル版ならではの設定で過去作との融合も成功していた。
クライマックスのピーターの決断には思わず目頭が熱くなったぞ。
でも、これでスパイダーマン・シリーズは”まとめ編”をしてしまったので、一区切りなのだろうな。