あきりんの映画生活

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「マトリックス レザレクション」 (2021年) 18年ぶりの”真実の先”って?

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2021年 アメリカ 148分
監督:ラナ・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーブス、 キャリー・アン・モス

第4章? ★★★★

 

18年ぶりの「マトリックス」。どんな風になっている?
トリニティは死んだはずだったが、キャリー・アン・モスが出演しているってことは、トリニティは生き返った?
続編? それとも流行のビギニングもの?

 

映画が始まり、あれ? アンダーソン(キアヌ・リーブス)はマトリックスというゲームを作ったプログラマーらしいぞ、ということはこの世界は・・・、と、ちょっとメタな設定だった。
そうなのだ。アンダーソンはマトリックスの世界の住人で、コーヒー・ショップでは平凡な結婚生活を送っているトリニティ(この世界ではティファニーという名前)と出会ったりするのだ。

 

ということは、トリロジーで描かれていたことはすべてアンダーソンが作ったゲームの出来事というわけだ。
なるほど。
そしてアンダーソンは謎の指示に導かれてあのモーフィアスに再会(?)するのだ。
さらに自分が作ったゲーム内のことと同じように、青のカプセル、赤のカプセルの選択を迫られるのだ。
えっ、あのマトリックスの世界は自分が作ったゲームの世界だぞ。本当のわけがないじゃないか・・・。

 

やがてアンダーソンはあの世界が実在していることを受け入れて、ネオとなるのだ。
さあ、マトリックスの世界にいるティファニーの実体を探し出して、トリニティに戻さなくては・・・。
トリニティをを助け出すぞっ。

 

さすがにキアヌ・リーブスキャリー・アン・モスも年をとった(スターウォーズレイア姫みたい)。
でも映画を観ているうちにあまりそれは気にならなくなってきた。
かえってそれだけの歳月を経ての二人の思いが際立っているようだった。
モーフィアスは雰囲気がやや変わっていたので、役者が変わってもそれほど不自然に感じられなかったが、エージェント・スミスはやはり同じ役者がよかったなあ。

 

ところどころでかつてのトリロジーの映像が挟み込まれる。これは涙もの。
トリロジーを観ておいた方が絶対によい。
というか、今作はトリロジーを観ていることを前提にして作られている。観ていないと、何がなにやらさっぱり訳がわからないだろう。

 

かっての「マトリックス」、特にあの第1作の興奮が蘇るかとといわれると、それはちょっときつい。
あの驚異的な映像表現は、今では普通に行われるようになってしまっている。
しかしアクション場面などの映像が並以下ということはない。他の映画と比べれば充分に合格点なのだ。

 

トリロジーでは、ネオ(とトリニティ)の死と引き換えに生身の現実世界と機械世界が共存していくという結末だった。
今作では、仮想現実の世界で幸せに暮らしているのだったらもうそれで好いではないか、という考えが示されている。
たしかにその考えもありだよな、と思わせるものもある。
これが18年の間に変化した世界の捉え方ということになるのか。

 

終盤で重要な手助けをしてくれる女性がいる。
なんと彼女はあの地下鉄駅の女の子だったのだ。18年経てばそうなるのか。

 

それに、今作ではネオとトリニティの役割が交代しているようにも思えた。
トリニティがネオを覚醒させるのではなく、ネオオが彼女を覚醒させていたわけだし、救世主もネオではなくてトリニティという感じだった。
それにしても、まさかトリニティが飛ぶとは思わなかったなあ。

 

本当にこれで「マトリックス」は終わるのだろう。
いろいろと批判もあるだろうけれども、この第4作が作られた意味がなかったわけではないだろう。
トリロジーでの結末は個人的にはあまりしっくりきていなかったので、今作で、はい、了承しました、という気持ちである。