あきりんの映画生活

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「アワー・フレンド」 (2019年) 美しい心、優しい気持ち

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2019年 アメリカ 126分
監督:ガブリエラ・カウパースウェイト
出演:ケイシー・アフレック、 ジェイソン・シーゲル、 ダコタ・ジョンソン

無償の友情。 ★★☆

 

要約すれば、死に向かう妻とそれを支える夫と友人の話。
病が発覚してからの日々と、それ以前の日々が交互に映されて、死が近づくということがどんなものであるかを感じさせる。
そしてこの映画の一番の主役は、そんな夫婦を助け続けた友人である。

 

2人の幼い娘を育ててるジャーナリストのマット(ジェイソン・シーゲル)と妻のニコル(ダコタ・ジョンソン)夫妻だったが、ニコルが末期がんであることが宣告される。
妻の介護と子育に翻弄されるマットを助けてくれたのは親友のデイン(ケイシー・アフレック)だった。
デインは二人と一緒に暮らしながら夫婦をサポートしてくれるようになる。

 

映画は、ニコルが癌の告知を受けてからの2年間と、それ以前の日々がフラッシュバックで描かれる。
観る者としては若干混乱する作り方ではある。
しかし、時間軸通りでは病が重くなっていくだけで単調になりがちな物語に、上手く変化をつけていた。

 

デインは自分自身の仕事や恋人との関係まで犠牲にしてまでマット夫妻を支え続けてくれる。
なかにはデインの行為を偽善だと非難する人もいる
何か魂胆があるに違いないとマットに忠告する人まであらわれる。

 

そうなのだ、どうしてそこまでしてあげられるんだ?と、大方の観ている人も思うに違いない。
それほどに無償の友情なのだ。
しかも、なんとこの映画は実話を基にしていた。本当にこんな友情に厚い人物がいたんだ。

 

実は、かつてデインは自殺を考えるほどの疎外感の中で生きていたのだ。
そんな彼を励まして生きることを助けてくれたのがマットの家族だったのだ。
今度は自分がマットたちを助けてあげなくては・・・。

 

デインは言う、マットたちを助けることによって自分も同時に救われていたのだ、と。
自宅で静かに息を引き取ったニコル。それを見守ったマットやデイン。
いつまでも立ち直れなかったデインのためにマットは本を書く。その本を読むことによってデインは救われたのだ。

 

人間の心って、こんなにも純粋になれるのだ、ということを教えられる映画でした。
好い映画です。
でも、私の映画評価がそれほど高くならなかったのは、ひとえに私がそれほど純粋な人間ではなかったせいです(涙)。