あきりんの映画生活

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「明日に向かって笑え!」 (2019年) 善良な人たちのリベンジ大作戦

2019年 アルゼンチン 116分
監督:セバスティアン・ボレンステイン
出演:リカルド・ダリン

サスペンス風味のほのぼの人間ドラマ。 ★★★

 

舞台はさびれた田舎町。
元サッカー選手でかっては町の英雄だったフェルミン(リカルド。ダリン)は、町に活気を取り戻そうと農協を作る計画を立てる。
みんな、お金を出し合ってくれ。これでみんなの農協を作ろう!

 

主役のリカルド・ダリンて、誰だ?と思っていたのだが、観始めたら直ぐに思い出した。ああ、そうだ、「瞳の奥の秘密」の人だ。
きっとアルゼンチンでは有名俳優なのだろうな。

 

なにせ素朴なみんなが知り合いの田舎町の人々は大真面目。
なあに、みんなで協力すれば上手くいくに決まっているさ。
なけなしのお金を出し合って設立資金を銀行に預けたのだが、その時に国家的な金融危機が起きてしまう。
すると、その混乱に乗じて悪銀行員と手を組んだ悪弁護士がその資金をネコババしてしまう。
ありゃ、俺たちの金はどうなったんだ? 一ドルも残っていないぞ!

 

お話は判りやすい。
その悪弁護士が大金を隠した農場の一画の秘密の地下金庫から、俺たちの金を取り戻すぞ。
しかし、金庫には厳重な防犯設備がつけられている。あれをどうする? 
7人の、年寄りやちょっと性格がずれているような奴などが知恵を出し合って資金の奪還計画を立てる。
なんとなく頼りなさそうなメンバーなのだが、独特のそれなりのスキルを持っているところがミソ。

 

とくれば、これはまるで「オーシャンズ11」ではないかと思うところ。
いやいや、そんなに張り詰めたものではない。
根が善良な人たちのやることだから、どこかのんびりしている。
それがこの映画の推しポイント。

 

作戦が手詰まりになりかけた時に、TVで観ていた映画が打開のヒントになる。
その映画は、なんとオードリー・ヘップバーンの「おしゃれ泥棒」。これにはヘップバーン・ファンとしては嬉しくなる。

 

フェルミンたちの仕業で、昼夜問わずに作動する防犯設備。
そのたびに、儂の地下金庫室に何者かが侵入したのかと、悪弁護士は仕事も放り出して金庫室を作った農場まで駆けつける。
くそ、役にたたん防犯設備めっ。
まあ、言ってみれば”狼が来た!”作戦。
悪弁護士が翻弄されるところはコミカルな味となっていた。

 

リベンジ・メンバーはどこか頼りないので、おいおい、そんなので大丈夫かよ、とか、肩入れして観てしまう。
そして、邦題から想像されるようなお馬鹿なコメディ映画ではなかった。
コミカルな雰囲気の人間ドラマをサスペンスに活かしました、といったところか。
ハラハラする展開もあって、最後まで愉しく観ることができました。

 

ツッコミをひとつ。
ラクタだったのをやっと直したあのブルドーザー、一体どうするつもりだった? 出番がなかったよねえ。