あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「カンパニー・マン」 (2002年) あれ、俺はどっち側のスパイだっけ?

2002年 アメリカ 95分
監督:ビンチェンゾ・ナタリ
出演:ジェレミー・ノーザム、 ルーシー・リュー

近未来の産業スパイもの。 ★★☆

 

冴えないサラリーマンだったモーガン(ジェレミー・ノーサム)は意を決して、ハイテク企業のデジコープ社に産業スパイ役として入社する。
競争会社の研修会に参加して、このペン型カメラでその様子を撮影してこい。はい、頑張ります。

 

それまでおどおどとしていたモーガンは、家では奥さんに頭の上がらないような男だったのだが、産業スパイとして活動するうちに自信がつき始める。
ん、俺はこの仕事に向いているんじゃないかな。

 

監督はあの独特アイデア映画「キューブ」で名をなしたヴィンチェンゾ・ナタリ
画面には、彼らしいちょっと奇妙な無機質な近未来感が漂っている。
お人好しそうな笑顔のモーガンも雰囲気を出している。

 

すると、リタという謎めいた女性(ルーシー・リュー)が接近してくる。
あなたはデジコープ社に操られているのよ、この薬を飲んで会議に出席してごらんなさいな。
何が起きているのか、確かめることができるわ。でも眠っていないことを悟られてはダメよ。
えっ、何だって?

 

ここで明らかになるデジコープ社の異様な仕打ち。
意識のなくなった会議の参加者は、目を閉じられないような装置を頭に取りつけられ、何やら洗脳されていくのだ。
この場面は、あの「時計仕掛けのオレンジ」を思い出させるようなものだった。

 

さあ、わかったでしょ。デジコープ社は悪い会社よ。
騙されたふりをして、このまま私たちのサンウェイズ社のために働いてちょうだい。

 

こうして物語は二重、三重の産業スパイものとなってくる。
次第にどちらがデジコープ社でどちらがサンウェイズ社か、混乱してくる。
というか、そんなことはどうでもよくなってきて、とにかく二つの会社の争いの渦中にいるということだけが判る(苦笑)。
さて、こんな騒動に巻き込まれてしまってどうすればいいのだ? 命まで狙われそうだぞ。

 

リタは言う、ルークスという人物があなたを救ってくれるわ。
そのルークスは何者なのだ? どこにいるのだ?

 

(以下、完全ネタバレ)

 

終盤まで、実はリタがルークスなのではないかと思いながら観ていた。
まさか、自分で自分を洗脳しているとは思わなかった。
なるほどね。あの高飛車な奥さんも偽者で、仕込まれていたわけね。

 

ちょっと奇妙な世界観を持った作品。
近未来ものなのだが、どこかレトロな雰囲気も持っているところはユニークだった。
しかし、監督はどんな物語を意図していたのか、掴み所もなかった。

 

何か散漫な感じのままで終わってしまった気がするのは残念だった。