あきりんの映画生活

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「ザ・ガンマン」 (2015年) お前よりもっと悪い奴は誰だ?

2015年 アメリカ 115分 
監督:ピエール・モレル
出演:ショーン・ペン、 ハビエル・バルデム、 ジャスミン・トリンカ

元傭兵の復讐アクション。 ★★☆

 

濃密なサスペンス映画「ミスティック・リバー」でアカデミー主演男優賞を受賞しているショーン・ペンである。
どこか沈鬱な表情の奥に深い感情の襞を感じさせるような、そんな性格俳優である。
その彼の、ばりばりのアクション映画である。
彼を起用して「96時間」の監督はどんな映画にした?

 

物語は8年前の国内情勢が不安定に揺れていたコンゴから始まる。
民間の軍事会社の傭兵だったジム(ショーン・ペン)は、指令で要人を暗殺し、そのまま恋人のアニー(ジャスミン・トリンカ)を残して国外へ逃亡する。
すべては指示役フェリックス(ハビエル・バルデム)の指図だった。

 

もうとにかく冒頭からハビエル・バルデムの悪者顔が圧倒的(顔もでかいし 笑)。
アニーに横恋慕している雰囲気も発散しまくり。
アニーを奪うために、お前、ジムに暗殺役を押しつけて国外へ追いやっただろ。
あくどい奴だな。なにせ「ノーカントリー」の殺人鬼だし、「007/スカイフォール」の悪役だし・・・(でも、ペネロッピーの旦那なんだよな)。

 

さて、時は流れて。
コンゴのNGO団体でひっそりと働いていたジムは、ある日何者かに襲われる。
これはプロ集団の仕業だな。誰が俺の命を狙ったんだ? 何が起きているんだ?
ジムはかつての仲間を訪ね歩き、敵の正体を探ろうとする。

 

あに図らんや、フェリックスは大会社の経営者になっていて、アニーと結婚していた。
ほらね、あいつ、悪賢い奴だったんだよ。

 

でも、本当に悪い奴、本当の黒幕はもっと上の方にいたのだ。
このあたりから本格的アクション映画となっていく。
舞台もロンドン、バルセロナジブラルタルと華々しく展開する。
何者かが差し向けた殺し屋たちを、仕掛けられていた爆薬を逆手にとってジムが反撃するところは見所だった。

 

クライマックスは闘牛場。
敵の黒幕は必死、なんとしてでもジムを殺して証拠の品を取り上げろ。
人質になっていたアニーも必死に敵の手から逃げ出す。
ショーン・ペンももういい年のはずだが、頑張っている。悲壮感がいい感じで漂っていた。

 

この映画、アラン・ドロンカトリーヌ・ドヌーブが共演した「最後の標的」のリメイクとのこと。
へえ、そんな映画があったんだ。知らなかったな。
今作より美男美女カップルだし(今作のヒーロー、ヒロインに失礼)、映画の雰囲気はずいぶん違っていたのではないだろうか。

 

インターポールも絡んできてジムの復讐譚は無事に終わる。

最後の場面のツッコミを。
ジムは一体何年の懲役を食らったのだろう? アニーとの再会が数日後のような雰囲気だったぜ。