2021年 アメリカ 109分
監督:マーティン・キャンベル
出演:マギー・Q、 マイケル・キートン、 サミュエル・L・ジャクソン
女暗殺者もの。 ★★★
冒頭、凄惨な殺人現場にあらわれたムーディ(サミュエル・L・ジャクソン)は、衣装棚の中に隠れていた少女アンナを連れ帰る。
そして月日が流れ、ムーディに育てられたアンナ(マギーQ)は凄腕暗殺者になっていた。
まるで「レオン」と「ニキータ」を合体させたような設定だが、悪くないよ。
なんといっても、表向きは古書店を営みながら裏の仕事を鮮やかに仕事をこなすマギーQが魅力的。
これぞ、アジアン・ビューティ。
「ダイハード」や「ミッション・インポッシブル」を経て、この映画のときはもうアラフォーのはずだが、落ち着いた容色はまったく衰えていなかった。
さて物語。
ある日、育ての親であり、師匠でもあったムーディが自宅で殺されてしまっていた。
ああ、なんていうこと・・・、この恨み、はらさずにおくものか。
すると、古書店に博識な紳士レンブラント(マイケル・キートン)があらわれる。
と、人間関係はそれほど複雑なこともない。
復讐心に燃えるアンナと、実はその復讐対象の護衛を任されたレンブラント、この二人を軸に展開される。
このレンブラントが少し変わっていて、敵対関係であるアンナに上品な態度で迫ってくる。
この人、観ていると、悪じゃないんじゃね?と思ってしまう。
しかしアクション場面は充分に見せてくれる。
殺し屋同士がプロのスキルを尽くして争う。周りに群がるモブ・キャラはばたばたと倒されていく。
それでいて、映画全体にはどこかお洒落感がある。
マーティン・キャンベル監督はかって007ものを2本も撮っているから、そのあたりの感覚に通じるものがあるのかもしれない。
観ていて嫌みなところがない。これはポイントのひとつだった。
しかし、邦題の意味がよく判らない。
原題は「保護された者」といった意味らしいのだが、それがどうしてこんなタイトルに?
でも、そんなことはどうでもよくなるほどに面白い作品だった。
終盤には、えっ、そうだったの?といったことも起こって、楽しく見終えることが出来た。