あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「オール・ザ・キングスメン」 (2006年) 俺は何も間違っちゃいないぜ

2006年 アメリカ 128分 
監督:スティーブン・ゼイリアン
出演:ショーン・ペン、 ジュード・ロウ、 ケイト・ウィンスレット
   アンソニー・ホプキンス、 マーク・ラファロ

実在の政治家をモデルにした映画。 ★★★

 

原作は実在の政治家をモデルにした小説とのことで、1949年に同じタイトルで一度映画化されている。
その作品はアカデミー賞の作品賞、主演男優賞、助演女優賞を獲得しているとのこと。
さて本作はどうか。

 

郡の出納官のウィリー(ショーン・ペン)は学校の校舎建設で不正がある事を知る。
純粋な正義感から不正に関わる官吏の告発運動をするウィリー。
不正を訴えたウィリーやその妻は目に見えない権力からの迫害を受け、職を失ってしまってもいる。
よし、断固正義を貫くぞ。汚い権力などには負けないぞ。

 

そんな彼を、新聞記者のジャック(ジュード・ロウ)が取材に来る。
折も折、不正建設だった学校の非常階段が崩落するという事故が起き、児童が3人も亡くなってしまう。
ほうらみろ、俺が言っていたとおりに手抜き工事をしていたんだよ。
よし、こうなれば選挙に出てもっと正義の政治をしてやるぞ。

 

ということで、この映画は一介の田舎の出納管だった男が州知事にまで上りつめていく物語。
新聞社を退職したジャックを腹心にして、着々と知事選挙を戦うウィリー。
当初は二人の有力候補の戦いと見られていたのだが、政治家らしからぬ正直さ(!)がみんなに受けて、ついには選挙に勝ってしまう。
やったぜ!

 

さあ、それからどうなるのか?
根が正直な理想家ウィリーなので、公共施設の建設や、福祉の無償化など、どんどんとやっていく。
しかし当然のことながら、良いことをするのにもお金がかかるのだった。
そのお金はどうする? 
どこかからお金を調達しないと、みんなのための理想の政治もできないぞ。

 

目的が良いのだから、それを達成するための方法が悪くてもいいじゃないか。
これのどこが間違っているんだ?

 

ショーン・ペンはひいきの俳優の一人。
どんな役をやっても一筋縄ではいかない、どこか気持ちが捻れた雰囲気をだしている。
それに引き替えジュード・ローはイケメン過ぎて、ちょっと浅いかな(ファンの方、ごめんなさい)。

 

そこに女性も絡んでくるのだよ。
アン(ケイト・ウィンスレット)はジャックの幼なじみで大切な人だった。それなのにいつのまにかウィリーと懇ろになっていた。
えっ、彼女を僕から奪ったのか?
女性が絡むと、信頼関係が崩壊するよねえ。男の意地みたいなものもあるし。

 

さらに、ウィリーのお金にまつわる黒い噂を糾弾しようとする判事(アンソニー・ホプキンス)も現れる。
しかもその判事は・・・。

 

知らなかったのだが、この監督は「シンドラーのリスト」や「レナードの朝」の脚本を書いた人だった。
おまけに「ミッション・インポッシブル」の原案者だって。すごい人なんだ。

 

清濁併せのまないと政治なんてできないのだろうか。そんなことを思わせる物語だった。
そしてそれをやろうという野心に燃えた人物の物語だった。
豪華な出演陣の、硬派の人間ドラマでした。