あきりんの映画生活

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「貴公子」 (2023年) プロをなめてもらっては困るよ

2023年 118分 韓国 
監督:パク・フンジョン
出演:キム・ソンホ、 カン・テジュ

韓国ノワールもの。 ★★★☆

 

父親も知らずにフィリピンで暮らしていた貧しい青年マルコ(カン・テジュ)。
彼は、ある日、自分を捜しているという父が寄こした弁護士に連れられて韓国へ向かう。
事情もよく判らずに戸惑っているマルコに親しげに話しかけてくる男がいた。
私は君の友達(チング)だよ、というその怪しい男(キム・ソンホ)は貴公子と名乗る。
何者だ、こいつ?

 

実はマルコは、余命幾ばくもない父の遺産相続騒動に巻きこまれたのだ。
私生児だったマルコを利用しようとする腹違いの兄、そんなマルコが邪魔な腹違いの姉。
マルコに死んでもらっては困る者もいれば、マルコを殺してしまいたい者もいる。
マルコは大変だ。

 

そんな争いのなかに割って入ってくるのが貴公子。
執拗にマルコを追いかけてきてその身柄を確保しようとする。
何を企んでいるんだ、こいつ?

 

この貴公子のキャラクターがなかなかに魅力的。
非情な殺し屋でありながらナルシスト。おしゃれな靴の汚れに神経を使い、コーラをストローで飲む。
それでいて情け容赦なく相手をたたきのめす。
甘い顔立ちで不敵に微笑む、これが貴公子の恐ろしさを増している。
この狂気のキャラクターがこの映画の魅力の大部分を担っていた。

 

俺はプロだぜ、が口癖の貴公子はめちゃくちゃ強い。
周りを取り囲んで銃を突きつけている敵をあっという間になぎ倒していく。
そう、「イコライザー」のデンゼル・ワシントンぐらい強いのである。

 

そしてデンゼルおじさんと違うところは、貴公子は”悪人”なので殺し方に容赦がないところ。
主人公だからあまり惨い殺し方をしては駄目だろうとかいった忖度まったくなし。
これは小気味がいい。

 

マルコと貴公子の走っての逃走追跡劇がかなり長い距離で繰り広げられる。
追う貴公子の手の振り方、走り方は、おお、ターミネーターではないか、マトリックスのスミスではないか。
思わずニヤリとしてしまったが、あれ、絶対に参考にしているよね。

 

遺産相続を狙う兄と妹の騒動なのだが、はて、すると貴公子の立場は何なのだ? 
単に金のために兄にマルコを売りつけるのが目的だった? 
それとも貴公子に何かを依頼した黒幕がいる?

 

最後に明かされる貴公子の真の狙いにはやられたよ。
でもそうだとするとずいぶんと無駄なこともしていたような気もするのだが・・・。ま、面白かったから好いか。
そう、理屈抜きの(どうでもいいような)面白さがあった。

 

エンドクレジットが始まってまもなくに追加映像が入る。
おやおや、こんなコントのようなオチが・・・(席を立たないように)。
これ、絶対に続編をつくる気だな。観に行くよ。