
2022年 166分 インド
監督:プラシャーント・ニール
出演:ヤシュ、 シュリーニディ・シェッティ
インド版アウトレイジ第2章。 ★★☆
「チャプター1」では主人公のロッキーが金鉱K.G.F.をのっとるまでの物語だった。
シリーズ第2作の本作は、我が物にしたK.G.F.を狙ってくる者から今度は守るお話。
のっとる、という表現で判るように、このシリーズは悪人の物語。
北野監督の「アウトレイジ」の惹き文句は、”登場人物みんな悪人”だったが、このシリーズもそんな感じ。
(チャプター1はこちら 「K.G.F. チャプター1」 (2018年) インド版やくざ映画 - あきりんの映画生活 (hatenablog.com))
K.G.F.(コーラーラ金鉱の略号)の支配者となったロッキー(ヤシュ)は事業をどんどんと拡大していく。
新たな金鉱も発見し、K.G.F.は要塞のような一大都市となっていく。
そこの絶対王者がロッキー。
K.G.F.のかつての劣悪な労働環境から解放された人々も、ロッキーを神のように心酔している。
登場人物たちはみな”濃い!”
髭ずらで、欲望にとりつかれたように目はぎらぎらとしている。
本質的にヤクザ映画で、悪人ばかり。主人公もルール無用の悪党。それがこの映画。
きれい事なんて一切なし。そこは覚悟しておく必要がある。
舞台も砂と岩山だらけの金鉱だから、薄汚い。
インド版マッドマックスと言われるだけあって、砂漠、鉄、銃、血しぶきが画面をおおう。
インドでは大ヒットをして、あの「RRR」よりも人気だったとのこと。本当?
ロッキーはK.G.F.で算出した金の流通網を支配し、金融を世界的規模で展開し始める。
当然反対勢力もあらわれる。
彼らの武装集団がロッキーたちの運搬トラックの車列を襲ってくる場面がある。しかしそのトラックから突き出されるのは夥しい数のロシア製カラシニコフ銃。
この一斉射撃はすごい。敵武装集団はあっという間に木っ端微塵に打ち砕かれる。
しかしそこに、金鉱の前の支配者スーリヤワルダンの弟アディーラが復讐に現れる。
このアディーラがものすごい悪役の雰囲気で迫ってくれる。
そう、まるで「北斗の拳」に出てくる敵役のよう。好いねえ。
彼はKGFの奪還のために恋人リナも誘拐してしまう。
このヒロイン、リナ役のシュリーニディ・シェッティは正統派インド美人。
前半ではロッキーに対して冷たい素振りも見せていたのだが、後半にはもう相思相愛となっていく。その果てに・・・。
物語の状況を盛り上げる歌はふんだんに流れる。
しかしインド映画お約束のダンスは一切なかった。そんな甘いものを挟み込む余裕はないんだよ、と言わんばかり。
アディーラも倒した後半になって物語はどんどんとひろがっていく。
なんとロッキーとインド政府との争いになっていくのだ。
ロッキーに対して怒りつづける女性首相は戦車を出動させ、K.G.F.をミグ戦闘機で爆破する。
こりゃとんでもない展開だな。
(以下、ネタバレ)
最後、金塊を積んだロッキーの船に、インド海軍、そしてインドネシア海軍とアメリカ海軍が近づいてくる。
そして発射されたミサイルが・・・。
エンドロールのあとに、えっ?”CHAPTER 3”と書いた原稿が映ったぞ。
ロッキーが死んでしまったのに、続編? どうするんだ?