2001年 103分 アメリカ
監督:ルイス・マンドーキ
出演:ジェニファー・ロペス、 ジム・カビーセル
大人の恋物語。 ★★☆
シカゴ市警のシャロン(ジェニファー・ロペス)は家族関係のトラウマにとらわれている。
彼女の家族はずっと実父の家庭内暴力に晒されてきたのだ。
母を、兄を救うために、警官になった彼女は実父を逮捕したことがあるのだ。
それ以来、お父さんを逮捕するなんて、と、彼女は家族の中で孤立してしまっていたのだ。
私は家族を守るために正しいことをしただけよ、それなのに・・・。
ジェニファー・ロペスは南米系の血が入っているようで、その野性的な美しさはすばらしい。
一度は破局したベン・アフレックと20年後に結婚している。すごいね、情熱的なのだろうか。
さて。
ある夜、ストリート・ギャングに襲われ殺されそうになったシャロンをキャッチと名乗る男(ジム・カビーセル)が助けてくれる。
いつもロングコートを羽織った彼は寡黙で、他人との交流を拒絶している様な雰囲気の男。
好意を抱き始めたシャロンは彼の部屋を訪れるのだが、ベッド以外の家具もない、生活感が欠けたものだった。
いったい、彼は何者?
それぞれに過去に問題を抱えた男女の都会派ラブストーリーである。
シャロンの方は何となくその気分になっているようなのに、それじゃお休みと素っ気なく帰ってしまうキャッチ。
おいおい、ツンデレだな、お前。目の前にジェニファー・ロペスがいるんだぜ。
でも、そういったつかみ所のない振る舞いをする彼がミステリアスで、物語を引っ張っていく。
ちょっと苦情を。
いくらなんでも女性の部屋のタンスを勝手に開けちゃいかんだろ。
ほら、あんなものや、こんなものが入っているのだから。
閑話休題。
ある日のデートのとき、惹かれたようなキャッチに連れられて二人ははジャズ・バーに入る。
そしてキャッチは休憩中のステージに上がると、いきなり置いてあったトランペットをふいに吹き始める。
曲は(私の大好きな)「ネイチャーボーイ」。フルート奏者がアドリブで絡んでくる。
おいおい、演奏はただ者じゃないぞ。お前はいったい何者なのだ。
(以下、ネタバレ)
このあたりまで観た者はみんな判ってくる。そう、キャッチは記憶喪失だったのだ。
彼は自分が運転していた車の交通事故で妻子を失っていたのだ。
その辛い過去から逃れるための記憶喪失に彼は陥っていたのだ。
物語は、二人がそれぞれの辛い過去と向き合い、それを受け入れ、新しい人生に踏み出していくところで終わっていく。
落ちついた大人の恋物語だった。大都会の夜の雰囲気だった。
お酒片手に観るのがよいかもしれません。