1992年 アメリカ 112分
監督:マイケル・マン
出演:ダニエル・デイ・ルイス、 マデリーン・ストー
密林での恋とアクション。 ★★☆
時代は1757年。舞台となる北米では、イギリスとフランスが植民地化を争う闘いをしていた。
両国は自国の軍隊に加えて、いろいろな部族の原住民を自国の兵として雇い闘っていたようだ。
原作はジェームズ・フェニモア・クーパーという人の小説「モヒカン族の最後」で、これまでに何度も映画化されたらしい。
主人公はモヒカン族首長のチンガチェックに育てられた白人ホークアイ(ダニエル・デイ=ルイス)。
彼はインディアンに襲われた英国人たちを助ける。
そのうちのひとりコーラ(マデリーン・ストウ)は、この地の闘いの指揮を執る英国大佐の娘だったのだが、二人は恋に落ちる。
未開の地での戦争で、銃と弓、肉弾戦になればサーベルや手斧で闘う。
植民地から甘い汁を吸おうとする英仏の争いに巻き込まれた原住民こそいい迷惑。
本来はこの地は英仏どちらのものでもなくて、原住民のものだったのにね。
しかし、それは今の時代の者がいう理屈なので、そこは言いっこなしで・・・。
イギリス軍は戦闘に敗れ、コーラの父のイギリス軍指揮官大佐は戦死してしまう。
ホークアイはわずかなイギリス人生存者と共に密林の中を逃げる。そこにはコーラとアリスの姉妹もいた。
フランス軍側に付いたヒューロン族は、若きリーダーのマグアを先頭に追ってくる。
このヒューロン族というのは破った敵の皮を剥いだり、火あぶりにするという残虐な種族。
捕まったら大変なことになるぞ。
急流でのカヌーの追跡劇があり、滝裏に身を潜める緊迫感があった。
長い髪を振り乱してダニエル・デイ・ルイスが密林を走る。
知的な、どちらかと言えば文芸映画の出演者というイメージを持っていたので、本作の主人公役には驚いた。
なにしろ米アカデミー賞の主演男優賞3回、英アカデミー賞主演男優賞4回受賞の名優である。
さすがの迫真演技であった。
そういえば、イザベル・アジャーニとの間には子供もいるはず。
さて。
終盤、ヒューロン族に捕らえられたコーラたちを助けようとするホークアイ。
そして断崖の上での最後の争い。
チンガチェックは息子の敵であるマグアを決闘で倒すのだが、彼の血を継ぐ者はもうおらず、自らを”最後のモヒカン族”と呼んだのだ。
ホークアイとコーラの恋を絡ませながらの骨太なアクションものだった。
あれからあの二人はどうやって暮らしたのだろうか?
余談だが、実際にはモヒカン族は滅びておらず、今も末裔が健在であるとのこと。