2008年 100分 イギリス
監督:シャロン・マグワイア
出演:ミシェル・ウィリアムズ、 ユアン・マクレガー
後悔する女の苦悩。 ★★
爆発物処理に従事する警察官の夫と4歳の息子と暮らす女(ミシェル・ウィリアムズ なぜか名前は出てこない)。
息子を溺愛はしているものの夫との関係は冷え切っている様子。
夫が夜勤の夜には、そんな女は息子をひとり家に残してミニスカート姿でバーへ飲みに行ったりする。
なんだか共感できないヒロインだな。
で、バーでナンパされてしまう。相手は新聞記者のジャスパー(ユアン・マクレガー)。
そして不倫関係となってしまう。おいおい。
それこそ身体を張ってミシェル・ウィリアムズが頑張っているのだが、あんた、やっぱりいかんやろ。
夫と息子がサッカーの試合を見に行った留守にも女はジャスパーを家に引き入れる。
その情事の最中にテレビがサッカー場で爆破テロが怒ったことを伝える。
えっ、夫は? 私の大事な息子ちゃんは?
サッカー場は大惨事になっており、夫と息子は大勢の犠牲者の一員となっていた。
ということで、そのトラウマを抱えて彷徨う女の物語となる。
ジャスパーが事件を調べ、自爆テロをおこなった犯人の家族がでてきたりする。
自爆テロの計画を把握しながら犯人一味を泳がせていた警察の思惑も判ってくる。
あなたたちのせいで私の大事な息子ちゃんが死んでしまったのよ。どうしてくれるの・・・。
原作は「「息子を奪ったあなたへ」という小説で、オサマ・ビンラディンに手紙を書くという設定が軸になっているようだった。
映画の原題は”爆発物”とか”扇動者”とかいったもの。
邦題だとアパートが爆発するようなニュアンスになってしまうが、よかったのだろうか?
映画の最後近く、死んだ息子の顔が描かれた追悼の大きな気球に引かれる様にビルの屋上にたつ女。
死を望もうとした女だったが、そのときに彼女は妊娠していることに気づく。
あ、新しい命が・・・。
気づくのが遅すぎるやろ。傍目にもお腹は大きくなっていたし、もう胎動もあっただろうに。
とにかく新しい生命を得て、女は新しい生活に踏みだす・・・。
なんだ、これ?
あの赤ちゃんの父親は誰だったのだ? 死んだ夫、それともジャスパー?
せっかくミシャル・ウィリアムズが体当たりで演じていたのに、映画は残念なものだった。
とにかく全体が中途半端な映画だった。
自分が不倫をしている最中に夫と息子を失った女の後悔と絶望を描きたかったのか、それとも爆破テロの犯人やその背後にあった事情を描きたかったのか。
何ともどっちつかず。
少なくとも宣伝文句にあるようなサスペンス映画ではなかったな。