あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ツーリスト」 (2010年) 俺はただの行きずりの人なのか?

2010年 アメリカ 103分 
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演:アンジェリーナ・ジョリー、 ジョニー・ディップ、 ポール・ベタニー、 ティモシー・ダルトン

謎の美女のサスペンス。 ★★★☆

 

年明け最初の映画はアンジー姐さんの登場!
姐さんの臈長けた美しさに魅了される作品だが、もう15年も前の映画になるのか・・・。
監督は、あの「善き人のためのソナタ」を撮った人。しかし、あまりの作風の違いに驚いてしまう。

 

冒頭、ヴェニスの豪華なホテルに宿泊しているエリーズを諜報機関のチームが監視している。
彼女が出かければ尾行し、彼女に連絡を取ってくる者がいないか見張っている。
どうやら彼女は諜報機関が追っている人物にたどり着くための重要人物らしいのだ。
そして彼女はある列車に乗るように連絡をもらう。

 

それにしてもエリーズのゴージャスなことといったら! さすがアンジーである。
すれ違う男性がみんな振り返るのではないかと思わせるオーラを放っている。
こんな美女の尾行なら嬉しいぞ。一体どんな男が接触してくるんだ?

 

エリーズが目を付けたのは、その列車に乗っていたアメリカからの旅行者フランク(ジョニー・ディップ)。
静かに本を読んでいたフランクは、いきなり自分の前に現れた美女にびっくり。
しかも、向かいに座ったその美女に、食事に誘って下さらないの?とでも言われた日には、そりゃあ、もう、喜んで!となるわな。
このシチュエーションで、アンジーのような美女の誘いを断る男が、世の中にいるか?

 

で、その結果、一介の高校教師だったフランクは思いもしなかったトラブルに巻き込まれていく。
エリーズはマフィアから大金を奪って、高額の脱税もしている男を愛してしまっていたのだ。
彼は警察には追われているわ、マフィアにも追われているわ、見つかってしまったら命がない。

 

そんな愛する彼を助けるためにエリーズは危険を冒しているのだよ。
そしてエリーズが愛する彼を助けるために利用したのが行きずりの人物のフランク。
要するにフランクはただの”ツーリスト”。

 

美しいヴェニスの街を舞台に、巻き込まれ男の逃走劇はあるわ、運河でのモーター・ボートの追跡劇はあるわ、で、軽快にストーリーがすすむ。
もちろんアンジーは豪華なドレス姿も披露してくれる。なんて妖艶なんだ!

 

そのうちに、あれ?エリ-ズはフランクに心惹かれていってるぞ。
フランクは、もう、言うまでもなくエリーズの虜となっているぞ。
おいおい、エリ-ズよ、いったいどうするんだ? 愛する男のためにツーリストを利用してたのじゃなかったっけ?

 

アンジーの美しさを堪能できて、それについては大満足なのだが、この作品の不満は、一に二にも彼女のアクションがほとんどなかったこと。
「トゥムレイダー」や「ウォンテッド」「ソルト」はもちろんのこと、「Mr.&Mrs.スミス」でもみせてくれたのに・・・。

 

中盤でエリ-ズの真の姿が明かされて、えっ!と驚いたのだが、それでも格闘技に優れているとか、射撃の達人であるとか、そういった場面はなかった。残念! 

 

最後の、愛する謎の男に関する謎解きは、勘のいい人なら終盤にさしかかるあたりで察しがついてしまう。
そう思って物語を振り返ると、出だしからそんなに上手くいくかいな?とも思ってしまうのだが、そこはそれ、愛のなせる技なのだね(笑)。
めでたし、めでたし。

 

一般の人が訳あり人物の騒動に巻き込まれていく似た設定の映画が、トム・クルーズキャメロン・ディアスの「ナイト・アンド・デイ」だった。
男女の役割が逆になっていたが、映画の出来でいえばあちらの方が上だった。

 

でもこの映画は何といってアンジーだからね。
もちろんアンジーの映画なので、評価には★一つ分のおまけがついています。