
2023年 115分 アメリカ
監督:リチャード・リンクレイター
出演:グレン・パウエル、 アドリア・アルホナ
サスペンス風味の恋愛もの。 ★★☆
グレン・パウエルの映画をもう1本。
「恋するプリテンダー」とはまったく違う役柄だが、常にどこか人の良さを感じさせるのが彼の持ち味だな。
大学教授のゲイリー(グレン・パウエル)は捜査方針にいろいろな示唆を与えるという、警察への捜査協力をしていた。
その捜査は、警察官が偽の殺し屋を演じて、殺人を計画している者を囮捜査で逮捕するというもの。
相手が殺人依頼をしてきて、現金を手渡した途端に逮捕!
アメリカってこんな囮捜査が許されているんだ。びっくり。
ところがその偽の殺し屋役が不祥事を起こして働けなくなった。
ゲイリー先生、あんたが偽の殺し屋役をやってくれんかね。えっ、私が?
ということで、殺人依頼をしてきた相手に合わせてコスプレまがいの変装をして殺し屋を演じるゲイリー。
これ、なかなか面白いんじゃないの。ゲイリーは思わぬ才能を発揮して、次々に殺人依頼者を逮捕していく。
グレン・パウエルがあるときはマフィア風、あるときはオタク風、そして会社員風と、様々な容姿で登場して楽しませてくれる(ポスターの写真を見て欲しい。グレン・パウエルの七変化だよ 笑)。
そんなある時、マディソンという女性(アドリア・アルホナ)が夫の殺害を依頼してくる。
パワハラいっぱいの夫との生活に追い詰められている彼女に、ゲイリーは思わず職務を離れた優しい言葉をかけてしまう。
そして殺人依頼を取りやめさせて、2人は恋に落ちていく・・・。
ここで面白いのが、ゲイリーが本当の自分をマディソンに明かせないこと。
彼女はあくまでもゲイリーが殺し屋だと思い込んで、その上で惚れてくれている。
殺し屋なんて刺激的だわ。悪いやつが来ても大丈夫だし、頼りになるわ。
止せばいいのにマディソンの前では殺し屋を演じ続けるゲイリー。ああ、困ったなあ。
このあたりはちょっとコミカルな雰囲気もあって楽しい。
(以下、後半の展開のネタバレ。本格サスペンスになるよ)
すると、なんと今度はマディソンの夫が彼女の殺しを依頼してきたのだ。あいつは俺を殺そうとしている、やられる前にやらなければ。
ありゃどうしようと困っている内に、なんとマディソンの夫が何者かに殺されてしまう。
警察は当然、一度は夫殺害を依頼してきたマディソンを疑ってくる。
マディソンを守ってやらなくては・・・。ゲイリーは必死になるのだが、秘密を知った悪徳警察官が2人を脅迫してくる。
そしてついにゲイリーは・・・。
映画の結末はブラック・ユーモア?というようなもの。
結婚した2人には可愛い子供もできて幸せにくらしました、とさ。
でも、この2人、考えてみたら実はこんなことやあんなことをやらかしていたんじゃないのかい・・・。
ちょっと変わったシチュエーションを活かしての映画で、無難に楽しめた。
この偽の殺し屋の囮捜査、という設定は、実際に警察に協力していたジョンソンという人物の実話をもとにしているとのこと。
夫殺しを依頼しに来た人妻を思いとどまらせたところまでは実話らしい。
もちろん実際のジョンソン氏は殺人の隠蔽も人殺しもしていない。
彼は10年間でで60人以上の殺害を依頼されたという。アメリカって恐ろしい国なのだな。