あきりんの映画生活

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「白と黒のナイフ」(1985年) あなたは犯人じゃないわよね、信じているわ

1985年 アメリカ 108分 
監督:リチャード・マーカンド
出演:グレン・クローズ、 ジェフ・ブリッジス

法廷もの。 ★★★☆

 

資産家の人妻殺人事件をめぐる法廷ドラマである。
大まかな設定は、容疑者は入り婿のような立場の夫、そして彼が雇った腕利き女性弁護士が容疑を晴らそうとする、というもの。
物語は単純明快である。夫は白か黒か?

 

ある嵐の夜に、別荘で殺人事件が発生した。
被害者は資産家の孫娘ペイジ・フォレスターで、狩猟用ナイフで何回も刺されていた。
その傍には夫のジャック・フォレスタージェフ・ブリッジス)が殴られて昏倒していた。

 

さあ、この事件の犯人は誰だ?
外部から何者かが侵入して犯行に及んだ、ように見えるぞ。・・・本当か?
この事件を担当したクラズニー地方検事は夫のジャックが怪しいとにらんで起訴をする。

 

それというのも、ジャックは最近は不仲になっていた妻から離婚を言い渡されそうだったのだ。
もしそうなれば、入り婿のジャックは一文無しになってしまう。
離婚される前に遺産を相続しておかなければ・・・。おい、そういう魂胆だったんだろう、白状してしまえっ。

 

窮地に陥ったジャックが雇ったのが敏腕女性弁護士のテディ(グレン・クローズ)。
以前は検事だった彼女は、今回の担当検事のクラズニーとは過去に一緒に担当した案件の確執を抱えた関係だった。
クラズニーは許せないわ、今度の裁判であいつの本性を露わにしてやるわよ。

 

裁判劇は面白い。
検察側も弁護側もいろいろな証人を呼んできては、自説の有利さを証明しようとする。
ジャックがコーチをしているテニスクラブのメンバーの一人は、ジャックのロッカーに犯行に使われたと同じ型のナイフが置いてあったという証言する。
殺された妻の愛人は、彼女がもうじき離婚するわと明かしていた、と証言する。
あら、不利な証言ばかり出てくるわね。

 

それでも執拗にジャックの無実の証拠を集めようとするテディ。
テディとジャックはいつしか依頼人と弁護士という関係を越えてしまっていたのだが、さあ、ジャックは本当に白なのか?
グレン・クローズが意志の強そうな熟女を演じていて、迫力満点。

 

それにしても邦題はちょっと無理をしている。
”白と黒”はいいとしても、それを強引にナイフに結びつけている。ま、言いたいことは判るのだが。
ちなみに原題は「ジャグド・エッジ」。これは犯行に使われた狩猟用ナイフの名前である。
なるほど、原題のままでは確かに日本では馴染みがないのでさっぱり判らないな。

 

事件には社会的背景だのといった余分なものは何もない。
もう単純に夫は白か黒か? これだけのことなので、ジャックと殺された妻の人間関係などが次々に明かされていき、一体どうなるのだろうと?と楽しめた。

 

(以下、完全ネタバレ)

 

事件の真相にテディが気づく鍵となる部分は、割と大雑把なものだった。
しかし、主人公が信じて弁護した被疑者が結局は犯人だった、というパターンはこの映画のあとによく見かけるようになった。
たとえば、本作の10年後ぐらいの「真実の行方」、「理由」など。

このような物語の先駆けといってもいい。その点ではたいしたものだった。