あきりんの映画生活

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「BAD LANDS」 (2023年) ぎりぎりの裏社会で生き抜いていく

2023年 143分 日本 
監督:原田眞人
出演:安藤サクラ、 山田涼介、 生瀬、 宇崎竜童

暴力サスペンスもの。 ★★★

 

原作は黒川博行の小説「勁草」(未読)。
「勁草」は風雪に耐える強い草、ということで、強い信念のたとえになる言葉。一方、映画タイトルの「BAD LANDS」は作物の生育に適さない荒れ地ということになる。
微妙にニュアンスが違っている。そのあたりに感督の狙いがあるのか。

 

主人公は大阪で特殊詐欺に手を染める橋岡煉梨(ネリ)(安藤サクラ)。
彼女はヤクザ絡みのオレオレ詐欺とか、偽装結婚とか、生活保護者を管理して搾取する貧困ビジネスとか、とにかく法に触れるような底辺仕事の片棒を担いで生活していた。
その筋ではかなりの遣り手でもあるようだ。

 

ネリのボス役に生瀬勝久
まあこいつが本当に悪。東京からやっと逃げ延びてきたネリの面倒を見てやろうというのは好かったのだが、その代わりに俺には絶対服従だ、その証に俺の靴を舐めてきれいにしろ。
何という奴だ。
しかも、こいつはネリの実の父親だったのだよ。胸くその悪い奴!

 

そんな彼らを追っているのが大阪府警の特別捜査班の江口のりこ
一時、私は安藤サクラ江口のりこがよく似ているなと思いながら観ていた。
役柄も似たような雰囲気のことが多いし・・・。

 

そんなネリの元に、出所してきた弟のジョー(山田涼介)がやってくる。
一緒に暮らし始めた二人は、ある夜、3億円もの大金を入手してしまう。これ、ヤバい金だよ、どうしよう・・・。
二人は悪い奴らに狙われ始める。
さらに、東京でネリを性奴隷のように支配していた悪富豪が、再びネリを捕らえようと触手を伸ばしてくる。

 

私のように平和な生活を安穏と暮らしている者には、とても実感できないようなヤバい生活が描かれている。
そんな世界で必死に生き抜いているヒロイン。
ちょっとでも気を抜けば足もとをすくわれそうだし、油断をすればすぐに警察に捕まってしまう。
野球帽を目深にかぶり、度胸の据わったヒロインを安藤サクラが熱演していた。

 

しかし次第に絶体絶命になっていくネリ。
彼女の仲間に、今は老いが顕著になってきている元ヤクザの宇崎竜童。
認知症も始まっていてネリが何くれとなく面倒をみていたのだが、最後に大活躍をする。
この渋さは伊達ではなかった。実に渋かった。

 

友情出演で一瞬だけ映ったのは、あ、”ファブル”ではないか。
あんな人とまともに闘ったら勝てるはずがないよ。やり合う羽目にならなくてよかったね(苦笑)。

 

どうなるんだ、この物語は?
映画のところどころで、月曜日の夜に街中を走り抜ける巫女さん姿の女性が登場する。
少し頭の弱い人物なのだろうな、面白い点景だな、と思ってみていた。
最後、おお、そういうことやったんかい。なるほどな。

 

暴力的な内容だったが、すごい迫力がある、緊張感が持続している。
そして、とにかくこの映画は安藤サクラにつきる。彼女のための映画だった。
映画「百円の恋」と並んで彼女の魅力が活きている映画だった。