
2021年 125分 デンマーク
監督:マーチン・サントフリート
出演:ウルリッヒ・トムセン、 ザキ・ユーセフ
顔ぶれ一新の第5作。 ★★☆
北欧特有の暗さをたたえたこの特捜部Qシリーズの第5弾である。
折り重なったストーリーも好くできていて、さらにバディものである主人公たちにも惹かれて、ずっと観てきた。
ところが、あれ、俳優陣がすっかり変わっているぞ。
特捜部Qというのは、過去の未解決事件を専門に扱う部署。
誰もが興味を失っているような事件を対象としており、いってみれば窓際族みたいな日の当たらない部署。
このシリーズはその部署の専従捜査員カール(ウルリッヒ・トムセン)とアサド(ザキ・ユーセフ)のバディものである。
今回の事件は、どこからか逃げてきたらしいロマの少年マルコが補導されるところから始まる。
マルコは何故か行方不明になっている未解決事件容疑者のパスポートを持っていた。
さあ、これらがどのようにつながっていくのだろうか。
これまでのシリーズと同じように、北欧独特の暗い雰囲気が全体をおおっている。
そして物語はかなり複雑に折りたたまれている。
やがて、カールとアサドの地道な調査で、国家事業に絡む大きな陰謀が横たわっていることが見え始める。
主人公のカールは思い込んだらブレーキの効かないタイプの強情人間。
自分でも俺は不器用なんだと言い訳をしている。
それに引き替えアラブ人のアサドは常識人で信仰深い。ちょっと不思議ちゃん的なところもある。
この対照的な二人の掛け合いが楽しいシリーズでもあった。
だから出演者が変わってしまって、慣れ親しんできたカールとアサドでなかった点はやはりいささか残念だった。
事件はていねいに描かれていて、全体の雰囲気にも浮ついたところはない。
二人の刑事+同じ部署の女性同僚(あまり美人ではない 失礼)も真面目に、そして執拗に悪人を追い詰めていく。
”知りすぎたマルコ”という副題もしっかりと回収されていた。
しっかりと作られていて、この1作、ミステリーファンなら満足して観ることができる。
私の評価がそれほど高くないのは、前4作の出演陣への愛着ゆえと思って下さい(汗)。