
1999年 125分 韓国
監督:カン・ジェギュ
出演:ハン・ソッキュ、 キム・ユンジン、 チェ・ミンシク、 ソン・ガンホ
スパイもの+ラブストーリー。 ★★★
もう27年も前の映画だが、当時は大ヒットとなり、韓流映画ブームの先駆けともなった。
今更なのだが初見である。
冒頭に北朝鮮工作員養成の様子が描かれる。
これが凄まじく苛酷。生きた人間を標的にして刺殺の訓練をしたり、並んで銃の組み立てを競い早く組み立てた方は相手を撃ち殺してしまう。
北朝鮮って本当にこんなにも非人道的な訓練までしているのだろうか。
主人公は韓国情報部のユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ)。彼には結婚を約束した熱帯魚店主のイ・ミョンヒョン(キム・ユンジン)がいた。
仕事では、相棒のイ・ジョンギル(ソン・ガンホ)とともに、連続する要人暗殺事件の捜査を進めていた。
犯人と目されたのは北朝鮮の女性工作員でスナイパーのイ・バンヒ。
しかしわかっているのはその名前だけで、彼女の顔も素性も謎のままだった。
主役のハン・ソッキュは「八月のクリスマス」の人。あれは好い映画だった。
ヒロインのキム・ユンジンは初めて観る女優さんだった。いささか華に欠けるのが残念なところ。
脇役に、チェ・ミンスクやソン・ガンホがでていた。この映画のあと、ぐんぐんとスターになっていった。
さて。驚異的な破壊力をもつ液体爆薬が輸送中に北朝鮮のテログループに奪われてしまう。
テログループは、南北両首脳も列席するサッカー試合場に爆薬を仕掛けていた。
爆破を阻止できるか、そして正体が明らかになったイ・バンヒとの対決は・・・。
(ちょっとばかりツッコみ)
それにしても韓国警察は意外に無能。
現場に何十人も張り込んで待ち伏せしていても数人の敵を何度も取り逃がしてしまう。
厳しい訓練をしてきた北の工作員には太刀打ちできていないぞ。
タイトルの「シュリ」とは、朝鮮半島のみに住むといわれる魚の名前。
南北朝鮮の国境地帯の河川に生息し、自由に南北を行き来しているとのこと。なるほど。
映画では、北朝鮮から潜入した武装集団のコードネームや、テロ作戦名にも使われていた。
(以下、ネタバレ)
有名作なので、南北の敵対する立場の男女が許されない恋に落ちる物語だというのは、ほとんどの人が知っているのではないだろうか。
私もその情報はどこかからか仕入れてしまっていた。
知らないで観る方が好かったのだろうけれど、
熱帯魚が泳ぐ水槽の前で仲むつまじかった二人、そして最後に同じ水槽の前で互いに銃を向け合う二人。
事件が終わり、ジュンウォンの携帯に残っていたイ・バンヒからの最後の留守電が泣ける。
「あなたとの生活が自分の人生のすべてでした、あなたと過ごした過ごした一年間が人生のすべてでした。」
そして、「変われるかと思ったけれど、やっぱり私は恋人を撃つしかないイ・バンヒだった」と。
諜報員もののサスペンス映画なのだが、宿命に裂かれる悲恋映画でもあった。
まだ洗練されていない部分も少なからずあったが、このあとの韓国映画の隆盛がうなずける作品だった。
やはり観ておいて好かったと思える作品だった。