
2013年 125分 日本
監督:瀧本智行
出演:生田斗真、 松雪泰子、 江口洋介、 二階堂ふみ
サスペンス。 ★★★
原作は江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の同名小説。
小説は大変に面白くて、最後の最後に驚かされた記憶がある。
今作はかなり設定を変えており、驚愕度は小説ほどではなかったが、それでも充分に面白い作品だった。
都内近郊で連続爆破事件が発生する。
犯行には舌を切り取られた女性の全身に爆弾を巻きつけた「人間爆弾」が使われていた。
くそっ、犯人はまともな神経じゃないな。
正義感の強い刑事の茶屋(江口洋介)は犯人のアジトを突き止めるが、そこで確保できたのは身元不明の男・鈴木(生田斗真)だった。
(余談になるが、この江口洋介の演技は松田優作を思い起こさせた。意識していた?)
この鈴木だが、まったく無表情。喜怒哀楽を一切表に出さない。
こいつ、変わってるな。なにか精神的に異常があるのじゃないか?
やがて鈴木は生まれながらにすべての感情が欠落していることが判ってくる。
こいつ、何も感じないのか? そんなことってあり得るのか?
鈴木は無表情でいながら頭脳は明晰、おまけに鍛え上げられて身体能力が高い。
謎めいたそんな人物像を演じて生田斗真が見事だった。
緑川役の二階堂ふみは当時19歳。
映画「ヒミズ」でベネチア映画祭の新人賞を最年少で取った翌年である。
しかし、こんなことを書くとファンの方からは顰蹙をかいそうだが、この映画ではあまりにも浮きすぎていた。発声もまだ不充分な気がした。
やがて護送される鈴木を緑川が逃亡させる。
罪を償おうとしている幼児性愛者(染谷将太)も登場してくる。我が子を殺されながらも犯人の矯正をおこなっている医師(松雪泰子)も登場してくる。
サイドストーリーも絡まり合って、物語は混沌としてくる。
人物造形には極端な部分もあり、また逆にステレオタイプなところもあったが、映画自体は楽しめるものだった。