あきりんの映画生活

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「美しい人」 (2005年) 9人の女性の人生の断片

2005年 アメリカ 114分 
監督:ロドリゴ・ガルシア
出演:アマンダ・セイフライド、 キャシー・ベイカー、 グレン・クローズ

オムニバス映画。 ★★★

 

ロドリゴ・ガルシアといえば「彼女を見ればわかること」(1999年)で5人の女性のオムニバス映画で注目を集めた監督。
今作も9人の女性の人生模様をオムニバス形式で描いている。
しかも各エピソードとも、全てワンシーン・ワンカットで撮られている。

 

原題は「九つの人生」とそのままである(邦題はどんな意図でつけた? まったく合っていないぞ)。
登場人物たちの感情が繊細に捉えられている。
まるで女性監督の感性ではないかと思うところだが、男性監督である。

 

サンドラ:服役中の彼女は幼い娘との面会だけを希望に生きている。
ダイアナ:妊娠中である彼女はスーパーでかつての恋人と再会する。彼は未だに彼女を想っていることを告白し、彼女もまた・・・。
ホリー:父との深い確執を抱える彼女は父親と決着をつけるために実家へと帰ってくる。その決着とは。
ソニア:夫婦で裕福な友人宅を訪ねた彼女は、夫と大喧嘩となってしまう。
サマンサ:娘を介してでないと会話もしない両親の間で彼女は。
ローナ:自殺した元夫の妻葬儀場を訪れると、そこで聾唖の元夫は烈しく彼女を求める。
ルース:不倫相手とモーテルにやって来た彼女は隣室の女性が警察に逮捕されるのを目撃する。
カミール:乳癌の切除手術を受けようとしている彼女は不安でいっぱいだった。
マギー:母親の墓参りにやって来た幼い少女は、人の生と死というものを理解しようとする。

 

ところどころで各話の登場人物が交差したりもする。
たとえば第2話のダイアナの元彼は、第4話のソニアの裕福な友人であったりするし、第3話のホリーは実は看護師で、第9話で病床にあるカミールを世話をしたりする。
第5話のサマンサの母親は、第7話では不倫をしようとしたりしている。

 

このようにある物語では脇役だった人物が、別の物語では主人公になっている。
どんな市井の人にも、その人を主人公にしたその人の物語があるわけだ。
これがオムニバス映画では楽しい所でもある。

 

短編なのでそれぞれの物語は何かの途中から始まり、その人の人生の断片を見せる。
それだけに、その前後に続くドラマを感じさせるのだ。
ロカルノ国際映画祭で金豹賞(最優秀作品賞)と銅豹賞(主演女優賞、9人に対して)を受賞しています。