
2023年 174分 インド
監督:プラシャーント・ニール
出演:プラバース
歌も踊りも無いインド映画。 ★★
地図からも抹消されている都市カンサールは、武装軍隊でよそ者を拒む治外法権の街だった。
そこでは盗賊を生業とする3つの部族が共存していたのだが、そこで覇権争いが起こる。
他の領主たちが強力な軍隊を集めるなかで、小領主のヴァラダは幼なじみの男、デーヴァ(ブラバース)に助けを求める。
登場人物が多い。それもまともな説明なしに次から次へとあらわれてくるので、これ、何者?ということになる。
それに時間が飛ぶ。回想場面かと思っていたら、いつの間にか今の話になっていたり。
主人公は今はどういう状態なのだ? ついて行きにくいなあ。
それに、それに、画面がほとんど茶色一色というか、華やかさがない。
個人的には、数年前に大ヒットした映画「K.G.F.」の影響があるのではないかと思っている。
あの映画は金鉱の支配をめぐっての戦いを描いていた。要するに髭もじゃの男たちがくり広げる殺戮の映画だった。
しかも舞台が草木も生えていない金鉱なので埃だらけ、砂だらけ。
美しさがこれぽっちもない映画で、インド映画好きの私だが、あれは駄目だった。
その「K.G.F.」がヒットしたせいか、この映画も雰囲気はそっくりなのである。監督も同じ人だし。
なんだかなあ。
登場人物はごちゃごちゃしているのだが、主人公のデーヴァとヴァラダさえ判っていれば物語を追うのにそれほど困りはしない。
それに眼目はアクション場面なのだから。
幼い頃から母に暴力を禁止されていたデーヴァは理不尽なことがあっても耐えていた。
しかしあるとき、ついに母が思いっきりやりなさいと許可を出す。
すると、覚醒したデーヴァの強さは超人的だったのである。
大男がふっとんでいくラリアット、腕や足切り落としの両手斧ぶんまわし、などなど。
あまりの凄さに、免疫のない人は気をつけましょう、というレベル。
インド映画お馴染みの3時間近い長尺もの。
ちなみに、登場する美女は一人だけでまったくの脇役扱い。歌も踊りも一切なし。
で、映画の最後に、part2に続くとの表示。なにぃ?
個人的には、さすがに続編はもういいかな、というところでした。