
2023年 144分 韓国
監督:ペク・スンビン
出演:シム・ヒソプ
ボーイズ・ラブもの。 ★☆
何と長い邦題なんだ。こんなに内容を説明する必要がある?
ま、しかしこのくらい言っておいてもらわないと、予備知識なしでは判りにくいお話ではあった。
原題は「さようなら、また明日」といったところ。このままではどうだったのだろうか。
始まりの舞台は1995年、テグ。
両親は不仲で、学校でもイジメにあっていたドンジュンは、男気のある友達カンヒャンにほのかな恋心を抱いていた。
しかし作家だったカンヒョンの母親が自殺をしたことから彼は事件を起こしてテグを去り、二人の付き合いも終わりを告げた。
最後の時に、警察に連行されるカンヒョンに気持ちを伝えなかったことがドンジュンの後悔だった。
それから25年後の3つの物語が語られる。
その3つとは、テグで高校教師になった(ゲイの)ドンジュン、ソウルで大学教授になった(ゲイの)ドンジュン、プサンで塾教師でなったドンジュン。この彼は結婚もして息子もいる。
青春時代の後悔を抱える男性が、過去に別の選択をした場合の3つの人生を生きる姿を描いた、というのが謳い文句なのだが、正直なところ、どれもあまり違わないじゃないか、と思えた。
せっかく3つの”もしも”を描くのだから、そうするだけの面白さを見せてくれよ。
どのドンジュンも煮え切らなくて、不幸で惨めだと感じる人生を送っている。
社会的にはそれなりの仕事をしていて、それなりの生活を送っているはずなのに、カミングアウトできないゲイであることに引け目を感じているようなのだ。
もう少ししゃんとしろよ、と思わず言いたくなる。それほど情けない。
冒頭に映されていた二人の少年時代の映像が、何回か繰り返し出てくる。
それは決して悪くはなかったのだが、そこから違う道に進む物語が凡庸だった。
残念。
(以下余談)
原題の「さようなら、また明日」で思い出すのは、邦画の「サバ缶」。
小さな冒険をしたりする二人の少年が、一日を共に遊んで夕刻に分かれるときのかけ声が、”さよなら”ではなくて、”またね~”だった。
小品といったたたずまいだったが、あれはノスタルジックな、しみじみと迫ってくる映画だった。オススメです。