
1993年 145分 アメリカ
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:アル・パチーノ、 ショーン・ペン、 ペネロープ・アン・ミラー
ギャングもの。 ★★★☆
映画は、カリート(アル・パチーノ)が何者かに腹部を撃たれるシーンから始まる。
そしてストレッチャーに乗せられたカリートの視線で流れていく病院廊下の天井の蛍光灯が映される。
物語はそこからさかのぼって語られるので、観る者はそこへ至るカリートのたどる道を追うことになるわけだ。
舞台は1975年のニューヨーク。麻薬界の大物だったカリートが出所してくる。
彼は犯罪から足を洗うことを決意し、ナイトクラブの経営者となる。
恋人ゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)ともよりを戻し、お金を貯めたら南の楽園で暮らそうと考えていた。
しかし、これまで悪の道を歩んできたカリートにそんなに平穏な日々が容易にはやってこないのである。
本来は長期刑だったカリートを弁舌巧みに弁護して5年で出訴させたのが、裏社会にもどっぷり浸っている弁護士デイブ(ショーン・ペン)。
この恩はきちんと返すよ、カリートはマフィアに脅されていたベイブを助けたりもする。
もちろんそこからマフィアとのいざこざも生じるわけだ。
アル・パチーノがなんとも渋い。
真面目でまっとうな暮らしを目指して頑張っているのだが、いろいろなしがらみが彼を放してくれない。
それに彼の信念には昔ながらの義理人情がある。安易に人を切り捨てられないのだ。
それに、ゲイルには一途な愛情を傾けるのだ。
たわいのない喧嘩をして、ゲイルが部屋の鍵をかけてカリートを入れてくれない場面がある。
なんとかして部屋に入りたいカリートが、ドアの隙間から必死に部屋をのぞき込む。
ここは絶対に「シャイニング」のオマージュだと思える。面白い。
そのあと部屋の中の鏡に映るゲイルの裸体(これ、デ・パルマ監督のお得意?)を見せつけられたカリートは、もう闇雲にドアを壊して部屋に入るのだ。面白い。
共演のショーン・ペンが好かった。
切れ者弁護士だったらしいのだが、次第に薬中となり壊れていく。
カリートはそんなデイブをかばい続けてきたのだが、ついに決別する日がやって来る。
デイブの護身用拳銃から秘かに弾を抜き取っていたカリート・・・。
終盤、グランド・セントラル駅でのマフィアからの逃亡、攻防劇は迫力だった。
いつ見つかってしまうかとハラハラ。そしてエスカレーターを使っての銃撃戦。
さすがデ・パルマである。
そして冒頭の場面に戻っていく。駅の壁にはカリートが夢見ていた南の楽園ポスターが貼ってあった。
一人の男の生き様をぐいぐいと描いていて、大変に見応えがあった。