
2023年 156分 アメリカ
監督:ニック・カサベテス
出演:ニコライ・コスター=ワルドー、 マイカ・モンロー
バイオレンス・サスペンスもの。 ★★★★
ニック・カサベテスといえば、もちろんジョン・カサベテスの息子で、あの「きみに読む物語」の監督。
美しい人間ドラマとは真逆の、本作はかなりグロい場面もあるノワールものだった。
ずいぶんと毛色の違う作品も撮る監督なのだな。
原作は「このミステリーがすごい!」海外編で第1位を獲得したことがある同名小説(未読)。
主人公は、娘のギャビをカルト教団にさらわれた刑事ボブ(ニコライ・コスター・ワルドー)。
彼に協力してくれるのが、自身も幼い頃にさらわれてカルト教団で酷い目に遭っていたケース(マイカ・モンロー)。
彼女は自身の悲劇を繰り返さないために、またその過去を乗り越えるためにボブに手を貸してくれる気になったのだ。
この悪魔を崇拝する教団は、さらってきた少女を生け贄にしたりするような非人間的な集団。
その中心にいるのがサイナスという暴虐非道な奴。
何としてでも彼の手から娘を助け出すぞ。
ということなので、物語の展開はバイオレンスだらけ。
相手が酷い奴らで問答無用の暴力を振るうのだから(イメージとしては、「マッドマックス」のいかれたヒャッハー集団)、こちらもそれに対抗しなければならないわけだ。
おとなしくしていたのではすぐにやられてしまう。
殴る蹴るはあたりまえ、顔面を銃でふっとばすなんてこともためらいなくやってしまうのだよ。
で、この映画の登場人物は腕や身体は言うに及ばず、顔にまで無数のタトゥを入れている。
困ったのは、私はタトゥを苦手としていること。
もちろんアート系のタトゥや、本人の信念でいれるタトゥがあることは認めるのだが、それでもタトゥには生理的な反発を感じてしまうのだ。
こればかりはどうしようもない。困ったなあ。
ヒロインのケースがなかなかに魅力的な人物像。
幼い頃から辛いことばかりの人生を送ってきているので、肝が据わっている。
そうだ、タトゥで思いだしたが、「ドラゴン・タトゥの女」のリスベットにつながる暗さと強さがあるんだっ。
暴力がこれでもかとくり広げられ、グロい場面もある。
それでも嫌な気持ちになるよりも、映画に惹きつけられる気持ちの方が強い。
これが監督の力量なのだろうな。
クライマックスは荒野での一大抗争。
花火は打ち上がるわ、火炎放射器も登場してくるわ、派手な銃撃戦がくり広げられる。
(主人公の2人は不死身なのだよ 汗)
決着が付いた後の後日談がある。
ケースもきっちりとけじめをつけることが出来たし、ボブとの再会場面もあったし。
この後日談で、ぎすぎすとしていた映画が少し幸せな気分で見終えることが出来た。
2時間半越えの尺ですが、オススメの作品です。
ただし、かなりグロい場面があることは承知の上で。