
2012年 147分 アメリカ
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:ジェレミー・アーバイン、 エミリー・ワトソン
戦時下の物語。 ★★★☆
第1次大戦下のフランスを舞台にした壮大なドラマ。
人ではなく、一頭の軍馬を主人公にしたところが妙味か。
さすがにスピルバーグと思わせる雄大な物語となっていた。
農家の少年アルバート(ジェレミー・アーバイン)が可愛がっていた馬のジョーイが、軍馬として騎馬隊に売られてしまう。
アルバートもジョーイを探すために軍隊に志願し、戦場へ向かう。
映画はそれからのジョーイがたどる波瀾万丈の運命を描いていく。
戦時下にジョーイはいろいろな人の手に渡って行く。
本当はサラブレッドのジョーイなのだが、他の農耕馬と一緒に泥道で重い大砲を引かされたりもする。
戦争は馬にも理不尽な苦労を強いてくるのだ。
そんななかで、祖父と暮らすやさしい少女エミリーとの出会いは心休まる一時期だった。
ジョーイが戦場の鉄条網に絡まってしまったときに、敵味方が協力してその鉄条網を外してやる場面がある。
大変に人情味あふれる場面で、実際の戦場でこんな事が起きるはずがないという、いってみればお伽噺に近い展開である。
鼻白む御仁も少なくないと思うのだが、まあ、スピルバーグの映画だから、いいのではないかい。
人間の都合によって振り回される馬。
しかし同じように、一般大衆も一部の権力者によって振り回される存在なのだ。
主人公を物言わぬ馬にしたことによって、戦争の理不尽さがよく伝わってきた。
戦争が終わり、徴用されていた軍馬は競売に掛けられる。
そりゃどの馬が生き延びていて、誰の馬だったかなんて、普通は判らないものな。
ジョーイは高額で競り落とされるのだが、競り落としたのはあの少女エミリーの祖父だった。祖父は亡くなったエミリーのためにジョーイを落札したのだったが・・・。
その祖父は、金などいらん、ジョーイはお前のものだ、と言ってジョーイをアルバートに返してくれる。
好かったね。
最後の映像は美しかった。
大河ドラマを観たような気持ちになった。さすが、スピルバーグだな。