あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

オー・ ブラザー! (2000年)

イメージ 1

2000年 アメリカ 109分
監督:コーエン兄弟
出演:ジョージ・クルーニー、 ジョン・タートゥーロ

脱獄囚のロード・ムービー。 ★★

1930年代のアメリカ南部が舞台。鎖でつながれた3人の囚人、エヴェレット(ジョージ・クルーニー)、ピート(ジョン・タトゥーロ)、デルマー(ティム・ブレイク・ネルソン)が脱獄をする。
刑務所に入る前にエヴェレットが埋めておいた大金が、まもなくダム建設のため水の底に沈んでしまう。早く掘り起こしに行かなければ、ということで3人の珍道中が始まる。

びっくりしたことに、この映画は古代ギリシャの詩人ホメロス叙事詩「オデッセイ」をなぞっているそうだ。
「オデッセイ」といえば、トロイの木馬作戦で勝利したオデュッセウスが故郷のイケタ島へ帰るまでの道のりを描いたものとか。
なぜか神様に意地悪をされて故郷へたどり着くまでに10年もかかったとか。

さて、映画の方の3人は、頼っていった従兄弟の家で警察へ通報されたり、悪魔に魂を売ってギターの名人になったという黒人青年と出会ったり。
挙げ句の果ては、「ずぶ濡れボーイズ」と名乗って歌をレコードに録音したりもする。

なんの脈絡もないような、ちょっと変わったできごとが次々と起こり、3人も飄々と警察の追跡をかわしていく。
登場人物にしても、できごとにしても、大真面目なのだが、ちょっとだけ変わっている。
それがコーエン兄弟の持ち味なのだろう。

碧眼の恐ろしい男が出て襲ってきたり、河原では洗濯をしていた3人の美女が誘惑してくるという展開もある。ピートがカエルに変身してしまったり(本当は違ったのだけれど)もする。
これらはオデッセイの挿話にある碧眼の巨人や、男を誘惑して河の深みに引きずり込む魔性の女、豚に変身させられた部下、などをなぞらえているようだ。

おそらく他の部分もかなり忠実にオデッセイを意識していると思える。
ただ私が浅学なために、ホメロスからの本歌取りが判らないだけなのだろう。
もしオデッセイを知っていれば、もっと楽しめたのかもしれない。

しかし、コーエン兄弟のことだから、それぞれに楽しんでくれればいいですよ、てなことで、観る側のそんなことは気にしていないのかな?

最後までなんとなくとりとめもないストーリーで、事件が次々と起こるのだが、私的には盛り上がりがないままに観終わってしまった。あれ?
そういう映画なのでしょう。

私がコーエン兄弟とはあまり合わないだけかな?