1967年 フランス 102分
監督:ロジェ・バディム
出演:ジェーン・フォンダ
お馬鹿なコスプレSF。 ★★★☆
映画はいきなり、ジェーン・フォンダが無重力状態で衣服を全部脱ぎさるという、後の彼女からすれば考えられないような、(有名な)場面ではじまります。
それからあとも、今風に言えばコスプレというようないろいろな衣装での彼女の大活躍がつづきます。
おそらく、このころはロジェ・バディムと結婚していたのでしょう、監督もジェーン・フォンダの可愛らしさを見事に引きだしています。
一応ストーリーとしては、宇宙破壊光線を発明した博士をづかまえるようにとの指令で、秘密諜報員だかなんだかのバーバレラ(ジェーン・フォンダ)が、とある惑星にでかけるというもの。
しかし、そんなものはあってないようなもの。
羽根の生えた有翼人がでてきたり、悪の黒女王がでてきたり、ま、なんでもあり。
張りぼてとすぐにわかる惑星のセット、豪華毛皮の内装の宇宙船、あり合わせの材料で作ったような未来機械などなど、ゆるい感覚のビジュアルも十分に楽しめます。
バーバレラはお気軽なセックスも何回もしてしまうし、セックス・マシーンでの拷問まで受けてしまいます。
ちなみに、拷問マシーンの場面というのは、バーバレラがピアノのような機械の中に閉じこめられていて、悪者博士が鍵盤を弾くと無数の触手が彼女の身体を愛撫する、というもののようでした。
(この悪者博士の名前デュラン・デュランは、後にあのロック・バンドの名前の由来になっています。)
しかし全くいやらしいとかいう感じはなく、ここまでくると馬鹿馬鹿しくてあっけらかんとしています。
人形にたとえれば、デュモーのアンティック・ドールの生々しさではなくて、ブリキで作った一目で分かるおもちゃの人形、という雰囲気です。
チープな感覚満載で、馬鹿馬鹿しくて、あっけらかんとしたお色気があって、実に楽しい映画です。
最後も、おいおい、これで終わりかよ、というようなものです。
さすがロジェ・バディム監督というべきか。
決して真面目に観ようと思ってはいけませんよ。