1981年 アメリカ 97分
監督:スティーブ・ゴードン
出演:ダドリー・ムーア、 ライザ・ミネリ、 ジョン・ギールグッド
腹の立つラブ・コメディ。 ★☆
大金持ちの御曹司が親の決めた政略結婚を蹴って、さまざまな困難を乗りこえて一目惚れした庶民の娘と結ばれる・・・。
とこうあらすじを書くと、純情なラブ・ストーリーかと思ってしまうが、内実はひどい代物。
どこが酷いか。とにかく主役の二人の人物像がいけない。
御曹司のアーサー(ダドリー・ムーア)は、使い切れない親の金で放蕩三昧、へべれけに酔っぱらってばかり。
ありゃあ完全にアル中だよ。酔っぱらっての馬鹿笑いばかりくり返していて、次第に不快になってくる。
一方のリンダ(ライザ・ミネリ)も、父親へのプレゼントのネクタイを万引きして、それを見つけられると警備員に逆切れするようなひどい女。
しかも助けてくれたお金持ちのアーサーが独身だと知ると態度が変わる。
こんなヒロインにどうやって思い入れをしろというのだ?
クリストファー・クロスの「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」がこの映画の主題歌とは知らなかった。この名曲が、こんな映画の主題歌とは。
執事役のジョン・ギールグッドだけが良かった。慇懃無礼なようで、アーサーのことを実の息子のように愛していて・・・。彼の存在だけが救いだったな。
アカデミー助演賞を獲ったとのこと。充分にうなづける。
(ネタバレ)
すったもんだの末の最後、アーサーもきっぱりと気持ちを入れ替えるのかと思えば、結局は大金持ちの生活を捨てない道を選ぶ。そんなの、ありかよ。
徹頭徹尾なさけない根性なしの主人公。こんな主人公にどうやって思い入れをしろというのだ?