あきりんの映画生活

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「きみがぼくを見つけた日」 (2009年)

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2009年 アメリカ 110分
監督:ロベルト・シュベンケ
出演:エリック・バナ、 レイチェル・マクアダムス

タイムトラベラーの恋物語。 ★★☆

28歳のヘンリー(エリック・バナ)は図書館で20歳のクレア(レイチェル・マクアダムス)に親しげに声をかけられる。それは、長年会うことを夢見ていたクレアがヘンリーを見つけた日だったのだ。

謎はすぐに観ている者に説明される。
ヘンリーは自己制御のできないタイムトラベラーで、30歳過ぎのヘンリーは過去にタイムスリップしたときに6歳のクレアに出会っていたのだ。
それ以来、何度も時を越えてやって来るヘンリーに、次第に成長してきたクレアは恋をしていたのだ。

実年齢で言うと、二人は8歳違いなわけだから、クレアが6歳だったときに、14歳のヘンリーも同じ世界のどこかにいたわけだ。
でも、14年間は実際の二人は出会わなかったわけだな。
映画を観ていると、ときどきその辺りがわかりにくくなる(混乱したのは私だけ?)。

設定としては、時間旅行のパラドックスをかなり無視している。
たとえば、別の時代へ行った者はその時代の自分と会うことはできない、というルールはこれまでの大方のタイムトラベルものでは守られてきた(あの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも原則的にそうでした)。
しかしこの映画ではそれはまったく無視。幼い日の自分に、後の成人した自分が忠告したりもする。いいのかいな?

物語全体の設定はとても面白いので、展開にもう少しひねりがあると。さらに面白くなったのではないかと思ってしまった。
たとえば、クレアがなぜヘンリーを知っていたのか、なんてネタばらしはもう少し小出しにしても良かったのではないだろうか。

何度も時空を越えて恋人が会いにやってくる、という物語は、古い名作では「ジェニーの肖像」があった。
あの作品も、作られた時代を考えれば、とんでもない傑作であった。

それにしても、自分の未来を知ってしまうのは、ことに、いつ自分が死ぬかを知ってしまうのは、辛いことだなと思ってしまった。
ネタバレになるのであまり詳しくは書けないが、映画もその辺りをクライマックスに上手く持っていっていた。

原題は「タイムトラベラーの妻」という、映画の内容そのものの率直なもの、というか、題名だけだと科学映画かと思ってしまいそう(笑)。
それに比べて邦題は、ちょっと甘いところはあるが、上手くつけたものだと思う。

最後の場面、ヘンリーに会うために必死に駆けるクレアの姿には涙。
あまり科学的には考えずに、ラブ・ストーリーと割り切って観ましょう。