あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。

ゴッド・ディーバ (2004年)

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2004年 フランス 104分
監督:エンキ・ビラル
出演:リンダ・アルディ、 トーマス・クレッチマン、 シャーロット・ランプリング

映像美の近未来もの。 ★★★★

何気なく見始めたら、ぶっ飛んだ。こりゃ、すごい。

エンキ・ビラルの映画は初めて観たが、本職は有名なコミック作家とのこと。
彼の描く近未来図は、あのリドリー・スコットの「ブレードランナー」や、リュック・ベッソンの「フィフス・エレメント」の映像の元ネタと言われ、大きな影響を与えたとされる。

そもそも「ブレードランナー」に魅せられた要因の大きな部分は、あの独特の未来都市の姿だった。
それが、この映画にもあった。
摩天楼が立ち並ぶ都市、その高層階の大きなガラスの壁面から見下ろす市街、空中を列をなしてなして滑っていく車、漢字の混じった大きな電光宣伝パネル。

映画として作られたのはこちらがかなり後ではあるが、しかし、あの美しい都市図はエンキ・ビラルが描いていたものだったのだな。

物語は、というと、これもかなり跳んでいる。
都市の空に浮かんだ巨大なピラミッドの中には3人のエジプト神がいる。
その中の一人ホルスは7日以内に、ある女性を捜し出して自分の子を身ごもらせなければならないようなのだ。
何故って、そんな理屈の説明はいっさいなし。

ホルスがさがすその青い髪の女性ジル(リンダ・アルディ)は青い涙を流す。
彼女は創造主のような得体の知れない人物によって、次第に人間になろうとしている存在なのだ。
突然空中を浮遊して成層圏のようなところへ行ってしまったり、記憶を取り戻さないための青い薬を飲んだり。
もちろん、理屈の説明は一切なし、ね。

理屈は不要。感覚で楽しむ映画。
しかも、人物は主要な3人だけが実写で、あとはすべてCGで描かれている。
このCGの人物が、かなり以前のコンピューターゲームに出てくるような造形で、異様な雰囲気をかもしだしている。
ビラル監督のインタビューによると、意図的のそうしたとのこと。

ホルムは神様だから絶対的な力を持っているのだが、人間と直接セックスをすることは出来ない。
そこである男ニコポル(トーマス・クレッチマン)の体に乗り移って(この男も反体制運動家かなんかで片足を失っていたりする)、ジルをレイプする。
神様がレイプするなんて、いいのかいな。

画面は全体に青みがかった色調なのだが、これは”ビラルの青”と呼ばれていて、彼独特の感性から来ているようだ。
とにかくすごい映画。
このレトロ感覚が微妙にまとわりつく近未来世界の美しさに酔いしれる。

主人公たちが結局どうなったのか、なんて、わからないままに映画は終わる。
神様はあの後どうなったのか、なんて説明も一切なし。
そんな細かいことは映像を見せるための手段であって、目的ではないとでも考えているような。

この映画、好みは極端に分れると思えます。
観はじめた人は、この世界にどっぷりと浸るか、最初の30分で怒りはじめるかで、その中間はあり得ないような極端さを持っています。