2006年 アメリカ 110分
監督:デビッド・フランケル
出演:メリル・ストリープ、 アン・ハサウェイ、 スタンリー・トゥッチ
女性御用達コメディ。 ★★★☆
ジャーナリスト志望のあか抜けないアンディ(アン・ハサウェイ)は、経験を積むために一流ファッション誌の編集者秘書になる。
ところが、このファッション誌はその筋では皆が畏敬する雑誌で、その編集長ミランダ(メリル・ストリープ)たるや、ファッション界に絶大な影響を持つカリスマ編集長だったのである。
皆が恐れる悪魔みたいな上司のもとで働くさえない娘が、てんやわんやの騒動をおこしながら成長していく話。
メリル・ストリープが貫禄をみせて演じるこの上司のミランダは、好き勝手し放題、公私混同もまったく気にしない。もうムカツク上司である。ストリープは、もうはまり役。
そんな風に、ミランダは仕事一筋の嫌みな上司なのだが、セリルアン・ブルーという色についてのうんちくを語る場面で、彼女も彼女なりに信念の人として仕事をしてきたんだ、ということがわかる。
ここは上手い持って行き方。ミランダにも共感できる部分を作っていた。
ファッション業界が舞台だから映画は華やか。プラダをはじめとするブランド品が、(たぶん)沢山映画には使われていたのだろう。
しかし、そんなものには全く興味がない者には、どれがブランド品やら、なにもわからない(悲)。
だからそういったものに精通している女性陣には、もっともっと面白く観ることができるのだろうな。
アン・ハサウェイはとにかく目が大きくて、しかも垂れ目である。しかも口も大きい。
誰かを思わせるなと思っていたら、バーバラ・ストレイザンドだった。
「ゲット・スマート」のときは色っぽい美人だと思っていたのだが・・・。
同じ会社で働いているナイジェル役のスタンリー・トゥッチが絶妙であった。
アンディが新しい仕事に戸惑ってどうしたらよいのかと相談に行ったときに、彼が言う言葉、「君は努力していない。自分は努力していると愚痴っているだけだ。」
これには、会社組織で働く者なら誰でもズキンとくるのではないだろうか。
ファッション誌の世界でも活躍しはじめたアンディだが、そのためには失うものも出てくる。
面白く観てきたのだが、最後になってアンディが下す決断は、ちょっと定番過ぎて、ここで私の映画の評価が大きく下がった。
しかしそのあと、新しい世界に踏み出したアンディを後押しするようにミランダが書いてくれていた推薦文で、映画の評も大きく持ち直した。
ミランダもちゃんとアンディを認めていたんだ。う~ん、好かった。
それに、なんといっても最後にアンディと出会ったミランダが車の中で見せた小さな笑い、あれが素晴らしかった。
あのかすかな表情で大きな表現をするとは。さすがにメリル・ストリープ。
”以上!”(笑)