2009年 アメリカ 101分
監督:ドミニク・セナ
出演:ケイト・ベッキンセール、 ガブリエル・マクト
南極基地での殺人事件。 ★★☆
とても暑い日が続くので、冷房を効かせた部屋で、最高に涼しい(寒い)舞台の映画を観ることにした。(織田裕二のほうではありません)
ステッコ(ケイト・ベッキンセール)は、アメリカの南極基地で働く連邦保安官。退屈な日々が過ぎて、数日後には最終便で帰国するはずだったのだが、他殺体が発見されてしまう。
氷に閉ざされて隔絶された世界での事件だから、犯人は外からはやってこられないし、逃げてしまうことも出来ない。
そんな状況の中で、犯人をどうやってつきとめていくか、謎をばらまいて欲しいところだったのだが、あれ? 話はとてもストレートにすすむぞ。
もちうろん南極という舞台だから、その過酷な環境はよくあらわされていた。
建物から建物へ移動するときには、雪と氷の混じった強風に飛ばされないように、建物の間に張られたロープと自分の身体を命綱でつながなくてはならない。
なるほどなあ。
これは犯人との格闘場面などでも緊迫感を高める要因となっていた。
それに素手で凍り付いた金属に触れれば、触れた部分はたちどころに壊死に陥ってしまう。
これも恐ろしい。ヒロインも無残な目にあったりする。
物語としては、期待していたほどのサスペンス色はなかった。
防寒服で顔を隠したままで不意に襲ってくる犯人との格闘がメインとなってしまっていて、これではジェイソンが襲ってくるホラー映画のノリだよ。
「ソードフィッシュ」ではいろいろと物語を錯綜させて見せてくれたドミニク監督、どうしてしまったのだ?
(以下、ネタバレ気味)
真犯人は、こういった映画の定石があるので、まあ、この二人のどちらかだろうと思っていたら、やはりそうだった(笑)。
事件の元となった”ブツ”の由来も説明がないし、真犯人の動機も納得できるようなものではなかった。
そもそも、冒頭のロシアの飛行機がどういう事情で墜落にいたったかという説明もなにもない。
ということで、猛烈なブリザードに襲われる主人公の活躍を堪能して、暑い日に観る映画としてはいいのだが、それだけの作品だったなあ。